野球とともに、これからも。何よりも好きなことが、人生の軸になる【後編】


by mizuki

公開日 2016年 5月10日

みなさんこんにちは。今回はイクスタ特別コンテンツへ、ようこそ。ここでは、みなさんの先輩である現役大学生に、当時の受験勉強や今の目標をざっくばらんにインタビューし、みなさんの夢や目標を考えてもらう場所です。


前半では、大学入学前後での「学びたいこと」のギャップに対する思いに迫りました。「この道は正直、違った」という言葉が印象深い彼ですが、そんな大学生活でどのようにモチベーションを保ち、今に至るのでしょうか。キーワードは「野球」と「仲間」。後半では自分の大好きなものを軸に、まっすぐに進んでいく彼の今までと、今と、これからに迫ります。


まつしたしゅうへい

●プロフィール
松下周平(Shuhei Matsushita)
東洋大学ライフデザイン学部健康スポーツ学科4年生。神奈川県箱根町出身。中学校から念願の野球部に所属し、高校、大学も野球を続ける。現在は東洋大学準硬式野球部にてエースとして活躍。大学2年次には選抜メンバーとしてグアム遠征も経験。好きなものは野球とお笑い。



● やりたいことと、大学での勉強とのギャップに気付いても、大学を辞めなかった理由はある?
野球もできて、仲のいい友達もできて、そんな環境のある大学に入ったのに途中で辞めるのはもったいなかったし、「経営を学びたい」っていう気持ちが辞めてまで学びたいほど大きくはなかったっていうのもある。でもなによりスポーツが嫌いじゃなかったと行くことと、準硬式野球部に入れたっていうのが大きい。


● 高校の時は大学で野球を続けるか迷ったみたいだけど、結局続けたのはどうして?
高校最後の大会、一回戦で負けてさ。その時に「あー腹立つわー」って思って、そのころから少し大学でも野球を続けたいと思っていたんだよね。このままじゃ終わりたくないなって。

どちらにせよ、草野球とか軟式野球とかの形で趣味としては続けていくつもりだったんだけど、いざ大学に入学して迷っていた時に「準硬式野球」に出会って、練習に行ってみたら楽しかったから入ったんだよね。そしたら、いつの間にか、それが大学に行く意味になってた。大学で野球部に入ってなかったら大学行ってないかもね。


● いい出会いだったんだね。
そうだねー。部の環境がすごくちょうどよかった。チャラチャラ活動しているような部でもないんだけど、かといってメンバーの大多数が甲子園に行っているようないわゆる「すごい野球部」って感じでもなかったから続けられたんだと思う。


● その中で結果出して、表彰されたりグアムに遠征行ったりしてるよね!
やー、素直にうれしかった。高校まではこういう評価なかったし。言い表せないほどの喜びがある(笑)。

選抜に、しかも2年生の時に、高校時代に全国の舞台で活躍していたような人もいる中で選ばれたからすごい嬉しくて。「あ、俺もできるんやー!」っていう自信が持てたんだよね。「行けるやん、俺。」みたいな(笑)。

「選抜メンバーに選ばれる」っていう経験が初めてだったから、「野球やってきてよかったー!!」っていう充実感がすごかった。


● すごい練習したの?
すごい練習したかというと何とも言えないけど、練習方法は自分で工夫をした。

大学って、高校までと違って指導者がいないんだ。今までは指導者指示に従ってやってきたけど、大学に入ってからは自分で考えて工夫してかなきゃいけなくてさ。それで自分で工夫しながらやってみたら、いろいろと気付くことがあって、その過程が面白かったんだよね。昔は言われたことをやってたから、自分の自由にできることってほぼなかったんだよ。投げ方にしても、「こう投げろ」って指示されたことに従ってやっていた。



● そんな経験の中で、周平くんにとって「野球」とは何?
「なくてはならないもの」とか「生活の一部」とか言ったらあれだけど(笑)。

なんかでも、モチベーションが上がるものかな。精神的に疲れたら、とりあえず野球。趣味であり、心のよりどころでもあり、かつ、力の入れどころであるという存在。俺にはこれしかないんだよね。


● これからも野球は続けたい?
うん、野球には関わっていくんだろうな、俺は。

趣味程度でもいいから野球部のある企業に入りたいっていうのはずっと思っている。今まで通りの“競技としての野球”には関わらないかもしれない。でも仕事をしながら趣味レベルではやりたいな。

野球によって俺のストレスが解消されて、仕事の効率が上がるかもしれないし! 「余暇をどうするか」って考え方ね!


まつしたしゅうへい


● 最後に、大学受験で思い出に残ってることってある?
毎日勉強してた日常が新鮮だったし、なにより落ちまくったのも思い出。落ちまくったねー、「こんなにもうまくいかないものか」って思った。実は東洋大学も補欠合格で、正直浪人しようかなとも思ったんだよね。それも1つの選択肢だと思ったけど、できれば浪人したくなかったから、受かってくれてよかったなって思う。


● 浪人を選ばなかった理由は?
まず、なんか嫌だったから。俺は同じ代の人たちと一緒に進んでいきたかった。そして正直もう1年勉強したくなかった! 「落ちまくった」っていう精神状態と、「駅伝とかで有名な東洋大学に合格した」っていう状況から、「ここに行かなきゃ」って思ったし、それが結果としてよかったから縁だとも思ってる。


● いい決断だったんだね。
決断をして間違うこともあるけど、いいこともあるから、いいとこを糧に頑張ればいいと思うんだよね。大事なのはどこの大学行ったって同じで、そこで自分がどう生きるかだと思う。自分で行動を起こして、どこに面白さを見出すかが大事だよね。

野球も、勉強もそうなんじゃないかな。壁にあたった時に、「つらい」と思えばそれまでだけど、「面白い」とおもったら世界が広がる。面白いからやるんだよ。悔しいからやるんだよ。頑張れば結果はついてくるし、頑張らなければそれまで。経験から思うことですね。高校生のみんな、後悔しないでやれよ!(笑)

「後悔先に立たず」、自分としては本当にその言葉を痛感する学生生活でありました。


● 最後にメッセージを!
何か、俺みたいにいろいろできるから大学生って。いろいろ挑戦してほしい。大学は何かをつかめる場所だと思うから、いろいろやってほしい。


「野球しかないんだよね、俺には。」

直前までの笑顔から、すっとまじめな表情のもと、落ち着いた声でそう呟いた彼の姿に、野球に対する愛と、おそらくずっと折れることのないだろう軸を感じました。彼の人生にはどこを切り取っても、「野球」という存在が顔をのぞかせます。私も彼もまだたった20数年の人生だけれど、それってすごくかっこいいことだなって、思います。

好きなことを好きということ、追いかけていくことは、想像以上に勇気と体力がいること。でも、きっと「本当に好きなこと」って、自分の一番の原動力になるはず。いつか、いざというときに。

今、とっても好きなことがあるあなた! ぜひ、ずっと大事にしてください。大人になるらなきゃいけないからって捨てないでください。ずっと持っていてください。それがいつかあなたの軸になり、価値になるかもしれません。




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