京都大学で7割、共通テスト98点まで伸ばした世界史の勉強法

こんにちは。京都大学総合人間学部のすみだわらと申します。

皆さんは膨大な暗記量を伴う世界史に苦戦していませんか?今回は京都大学に合格した私なりの世界史の攻略法を紹介したいと思います。

まずはじめにお伝えしたいことは、世界史は確かに暗記量が膨大で、知識をただ頭に詰め込むだけのインプットをすることに意識が向きがちです。しかしながら、吸収した知識が本当に自分のものになっているかを確かめるためのアウトプットもまた重要です。私はインプットをすることばかりに注力した結果、夏の京大模試では50点/100点台をとってしまって出鼻をくじかれてしまいました。

そこから勉強の方向性を変えた結果、京都大学の二次試験本番では世界史で70点以上を取ることができました。

大学受験が終えた今になって気付けたこともたくさんあるので、これらの経験を踏まえて私がおすすめする京都大学など難関国公立に合格するための世界史の勉強法を記していきたいと思います。

世界史は包括的・網羅的な全体観から勉強計画と手段を決めていけば、ゼロから独学でも確実に最難関レベルまで成績を伸ばすことができます。

イクスタの世界史で成功した記事を参考にしながら、夢を掴むために世界史を効率的に勉強してくださいね。

京大世界史の出題形式

試験時間:90分

大問数:4つ

配点:100点

京大世界史の解答方式は全て記述式です。大問は4つ出題され、そのうち大問2つは300文字の記述が求められ、大問1つにつき20点の超長文記述で配点の40%を占めます。そのほかの大問2つは用語の記述式問題です。

この出題形式は10年以上変わっていないので、しばらくはこの形式の出題が続くでしょう。

2022年の京都大学世界史の出題 300文字の記述問題


2021年の京都大学世界史の出題 300文字の記述問題


京大の世界史で合格点を取るために使った参考書と教材

教科書

詳説世界史改訂版(山川出版社)

通史の流れを理解するだけなら必ずしも教科書は必要ありません。ですが、論述では教科書的な言葉遣いや文章表現が求められています。通史の流れを自分の言葉に置き換えようとして論述した結果、減点を食らうことは多くあるので、ある程度読みこなし、山川の教科書ではどう表現されているかの確認は必要になります。

> 山川 詳説世界史B - Amazon

問題集

高3世界史論述世界史(研伸館) ※塾のテキストなので非売品

通史の流れを理解した後の論述の練習に必要です。問題集自体はある程度のレベル感のものであればなんでも大丈夫だと思うので、自分がいいと思ったものを使うようにしましょう!

世界史の窓 - Webサイト

基本用語は難関私立大学の試験でないと出ないようなニッチな単語についての詳しい解説も載っているのでかなりおすすめです。普通の用語集も良いのですが、それらは単なる語句説明になっていて細かすぎてどこが重要なのかが分かりにくいといった印象があり、自分は知らない単語があれば世界史の窓を使って調べていました。


資料集

グローバルワイド最新世界史図表二訂版(第一学習社)

資料集の年表は初めて見ると知らない単語ばかりで難しく思われますが、授業や教科書である程度の通史の理解を終えた後に読むと授業の板書を見返したり教科書を読み返したりするよりも効率よく復習できるのでおすすめです。

共通テストでは写真を用いた問題も出題されますので、資料集の写真は要確認です。


> 世界史図表 - Amazon

一問一答

山川 一問一答世界史第2版(山川出版社)

通史の流れを掴むうえで最低限の単語を覚えるというのにももちろん役立ちますが、知識の抜け目をなくすためにも受験間近まで有用です。2017年の京都大学世界史では以下のような解答になる問題が出題されました。誤字脱字なく記述する正確性が求められます。

> 山川 一問一答世界史 - Amazon

赤本

京大の世界史20カ年第2版(教学社)

単語のアウトプット、論述のアウトプットともに役立ちます。


> 京大の世界史20カ年 - Amazon

京大模試の世界史得点の推移

ここで私の現役時代の京大模試の得点推移を開示します。あくまでも参考程度に見てもらえればと思います。

参考までに共通テスト本番は98点を取ることができました。

京大模試

河合1回目 56点

駿台1回目 86点

河合2回目 71点

駿台2回目 72点

どんな大学でも世界史で合格点を取るための勉強法 3つのステップ

私が実践した世界史の勉強は【通史の理解】、【単語のアウトプット】、【論述のアウトプット】にの3つのステップに分類できます。

通史の理解は最も重要なもので、単語と論述のアウトプットの土台となります。通史を理解していくことの最終目標は各世紀の感覚を養うこと、すなわち、何世紀にどういう事件が起きたかということを体で覚えることで、これは論述のときに必須の能力です。

3年生の夏からは単語と論述のアウトプットに重点を置いておきたいです。このころになると通史は何となく理解はしているが、単語をド忘れしていたり、漢字が書けなかったり、上手い文章表現が出来ないなど、微妙なところでつまずくことが多いです。こうした微妙なつまずき自体の存在に気づくためにもアウトプットもまた重要な勉強です。

では、これらの3つのステップについて具体的に見ていきましょう。


ステップ1 通史の理解

この記事を読んでている受験生ならばまず通史、と把握している人がほとんどでしょう。その通り重要です。ですが、この通史の理解もまた3つのステップに分けることができます。

① 単元ごとに歴史の流れを把握する

授業や教科書で歴史の流れを把握しましょう。資料集の年表を見て事件間の因果関係などが大体分かるようになれば、とりあえず十分です。

② 単元ごとの歴史の流れを定着させる

資料集の年表を見て授業や教科書の内容が思い出されるようになったら、事件の因果関係を意識しながら年表をなるべく長い時間見続けて、単元ごとの通史を定着させましょう。2年生から3年生の夏ぐらいまで食事の時間や少しの隙間時間の間に資料集を見ていました。年表に書かれた事件について口で上手く説明できない場合は ①単元ごとに歴史の流れを把握する のステップに戻ってから、また再び資料集の年表で定着させる作業に戻りましょう。これを繰り返せば資料集だけで一通りの通史の定着が出来るようになるでしょう。

③ 全体の歴史の流れを定着させ、世紀の感覚を養う

単元ごとの通史を理解しても、それがいつの時代に起こったことなのかが分からなければ論述には役立ちません。

論述問題では、例えば「8世紀のヨーロッパ・中国・イスラムについて書け」といったような時期を指定して論述させる問題が出てきます。ここで「732年にトゥール・ポワティエ間の戦いがあったなぁ、751年にはタラス河畔の戦いがあったなぁ」とすらすら出来事を思い出す必要があります。

こうした世紀の感覚を養うには、今までのように時系列に沿って年表を通時的に見るということよりも、同じ時代にどの王朝がどのようなことをしたかということに着目した上で、共時的な視点をもって年表を見る勉強法と採用しないと難しい局面です。

資料集の最後の方のページには各国の歴史をまとめた大きな年表があります。この年表を先ほど紹介したように因果関係を意識しながら長く見続けて、もし分からないところがあったときに板書や教科書で不明瞭だった点を確認するといったサイクルを行えば世界史の横の感覚も自然と身につくはずです。

ステップ2 単語のアウトプット

一問一答を用いてインプットした知識を確からしいものにする

通史の理解がある程度進むと山川の一問一答で出る単語で知らないものはほぼ無くなります。しかしながら、一問一答でのアウトプットの練習をせずに一問一答に対して実際にいざ答えようとするものならば、6、7割ぐらいしか答えられないことが多いので、しっかりと一問一答には取り組みましょう。

特に受験期に近づけば近づくほど、自分がどの単語を答えられないのかが分かるとその分さらに多くの問題を解く必要が生まれるので、非常に泥臭い努力の積み重ねにはなりますが、きっちり確実に答えられるように習得しておきたいです。


ステップ3 論述のアウトプット

自分流の解答を作ってから、模範解答の良い部分を取り入れる

通史の流れをある程度理解した後は論述問題に取り組みましょう。自分の頭の中にあるイメージを自分の言葉で表現していくだけでも意外と良い点が取れたりすることはありますが、やっぱり教科書に書いてあるような表現で文章を作らないと試験中は不安になりますし点数にぶれが生じます。したがって論述といえども教科書的な文言の暗記は多少必要です。東京大学や一橋大学の論述対策でも同様にいかに教科書的な文言を活用できるかが鍵になるようです。

世界史の論述力を鍛える方法

世界史の論述力をどう改善していくか、具体的にご紹介します。まず自分の解答を作ってから自分の解答に足りないところや修正すべき内容を覚える、のがおすすめの論述対策です。

一部のやや穿った視点からの論述問題に関しては一から自分で完璧な論述をするのはほぼ不可能なこともあるので、いかに多くの論述問題に触れられるかがカギとなります。

自分はメソッドを確立するのも遅かったうえに持っている知識だけで臨機応変に書いてやればなんとかなるだろうと楽観視していたこともあって、受験当日の論述問題でかなりの失敗をしてしまいました。みなさんは私の失敗経験を生かしてさらなる点数獲得に繋げてください。

世界史を始めた人が伸び悩むポイント

世界史を勉強し始めたあと、多くの受験生が伸び悩むポイントを2つお伝えします。

① 正確に一問一答を答えることができるか

② 教科書に用いられる表現を用いて論述を書くことができるか

通史の理解自体は程度の差こそあれ誰でもやるとは思うのですが、インプットを繰り返して勉強した回数とテストできっちり回答できることは別だということの意識が希薄になりがちなこともあって、大体この2点でつまずくことが多いです。

だからこそ、単語・論述をインプットした後に、問題集や過去問で知識や理解のアウトプットの機会をしっかり取り、その次の知識の補強に生かしましょう!


京大など世界史の論述対策はインプットとアウトプットのバランスを欠かさずに!

ここまで私個人の経験をもとに、世界史の勉強法について解説をしてきました。本記事でも何度もお伝えしていることですが、世界史では通史の流れをインプットするだけでなく、一問一答と論述問題によるアウトプットをすることにも注力してください。

この記事に書いたことをしっかり実践すれば世界史は間違いなく高得点が取れます。単語のアウトプットは徹底させたものの論述の方を怠ってしまった私は70点という、個人的には満足できない微妙な点数をとって少し後悔しています。人それぞれ目標点数は異なってはいますが、私は皆さんにこの記事の内容を教訓にして自分の満足のいく点数をとってほしいです。


イクスタでは京都大学以外にも早稲田や関関同立、共通テスト対策の世界史の勉強法について述べているのでぜひ参考にしてください。

参考:早稲田政治経済学部生が教える、独学でも4か月で50点伸びた世界史勉強法 - イクスタ

参考:関関同立の世界史で合格点を取るための勉強法を問題画像を入れながら説明します! - イクスタ

参考: 世界史は山川でどこまでいける?共通テスト9割、早稲田8割を取った勉強法 - イクスタ

参考:【世界史選択者】たった一年間で難関私大に合格するための逆算勉強法 - イクスタ

世界史の勉強法を間違えないためのおすすめの動画


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