失敗続きの私のでも挽回できた法政大学合格体験記【不安定な受験生に贈る8ヵ条】

土井万智(どいまさと)の編集室

今回は私が一時期サポートしていた、こだまさんの合格体験記をお送りします。


はじめまして。私は一浪して今年の春、法政大学の一年生になりました。今回は私自身の大学受験について教訓を踏まえつつ、お話ししたいと思います。

◇この記事の目次◇

高校は大学進学者が少数派。そんな不利な状況からのスタート

まず、自己紹介からです。私の通っていた高校はお世辞にも進学校とは呼べないようなところで、一学年に大体300人くらい生徒がいたのですが、その中でそもそも大学受験を目指している生徒は40名ほどでした。

クラスが成績順になっていて、ABC組しか大学受験を本気で目指している生徒がいなかったのです。他のクラスの生徒は専門学校だったり、就職するのが当たり前の学校でした。私の一個上の先輩達の代でも、合格実績としては早慶上理が3名、MARCHが9名程度でした。後から考えれば、そもそも大学受験を志すには圧倒的に不利な状況でした。

モヤモヤした状態からの浪人生活スタート

浪人時代の話からお話しします。私は予備校に通っていなかったので、図書館に朝の9時から夜8時くらいまで通いつめ、独学で勉強していました。

浪人当初、四月くらいの時期は「勉強するぞ!絶対受かってやる!」と意気込んでいたのかと思いきやそうではなく、当初家族との仲が良好ではなかったため、浪人生活始まりのモチベーションとしては低かったように感じます。

それでも、もともと朝方ではなかったのに早起きして英単語をやったり、12時間はひとまず机に向かったりと、最低限のことはしていました。家族と和解し、関係が良好になった6月頃からようやく、自分の中で本気で受験勉強に一心不乱に向かうことができました。

はじめは目標として早稲田大学の文学部を目指していました。受験勉強を続ける上で、私が続けていたことがいくつかありますので、ここで紹介しておきます。


意思の強くない受験生こそ自分に課して欲しい、成績アップにじわじわ効いてくる8ヵ条

1.スマホは使うなら一日30分以内に留める

スマホは2時間使用すると、その日一日勉強した分の知識が脳から消えてしまう、という論文も出ています。しかし、やはりどうしても取らなければならない連絡というのがあるのもまた事実なので、休憩中に好きな俳優の画像を調べたりするのを含めて30分以内、と決めていました。


2.必要なアプリ以外はアンインストールする

やはりゲームなどの余計なアプリがあるとつい時間を浪費してしまいます。そもそも意識下からその存在を排除すべきです。私はインスタグラムもツイッターもフェイスブックも、そしてもちろんゲーム類は全般消していました。


3.朝型の生活にする

私ももともとは夜型の生活でした。夜の方が誰も起きてないし、騒音も少ないから、捗ると考えていました。しかし、試験は朝の9時頃から始まります。その試験に合格することを目指しているのですから、試験の方に合わせなくてはなりません。最初はきついかもしれませんが、慣れてくると夜に勉強するよりもむしろお得感を感じることができるはずです。


4.一日にやることの計画を先を見越して立てておく

当たり前のことですが、その日にやる勉強の内容を当日決めている人は落ちます。先を見越して、大学入試当日で80%以上の得点を目指すなら、10月時点では60%を目標にする、などまず短期間のゴールを決め、それに向けて参考書を9月末までに3周終わらす、それならば、1ヶ月で1周すればいい。すると1日やればいいページ数がわかりますよね?そういう風にして各教科、少なくとも1ヶ月単位で、勉強計画を立ててみて下さい。そしてもちろん、計画を立てるだけではなく、実行して下さいね。


5.モチベが落ちた時は新しい勉強を始めない

受験勉強を続けていれば、誰だってモチベーションが下がってしまって、「ああ、今日勉強したくないな…」と思う日はあります。そんな日は、あえて一切の勉強をしない!と言うのもひとつの手ですが、私は新しい課題に取り組むのではなく、今までやってきた復習を行うようにしていました。いつも通りの時間に起きていつも通りご飯を食べ、いつもどおり図書館に向かい、勉強の内容だけ復習に特化したものに変えていました。モチベーションが落ちると、生活習慣が乱れがちですが起きる時間と寝る時間だけは変えない方がメンタル的にもいいです。


6.失敗しても落ち込まない

前のところで、計画を立てよ!みたいな偉そうなことを述べておいてなんですが、はじめに言っておくと、計画通りに勉強が進む人なんて一人もいません。それがいい意味であれ悪い意味であれ、全く計画通りに勉強が進んで合格まで辿り着く人は日本中探してもおそらく一人もいないでしょう。

失敗してからどう巻き返すかが大事です。計画通りに進まなかった日があるなら、次の日と調整して巻き返す、日単位ではなく、1週間レベルで計画より遅れているのであれば、そもそも計画自体を立て直す。失敗したなら、次の手は最善策を取りましょう。落ち込むだけなら誰でも出来ます。なるべく早く、次の手を打つことが何よりも重要です。


7.リラックスの時間を必ず作る

受験生と言っても24時間勉強しているわけではありません。休憩してリラックスしている時間ももちろん必要だし、それだって受験勉強の一環です。私は毎日1時間はお風呂に入るようにしていました。他の人と比べるとお風呂に費やす時間が長かったと思いますが、そこで1日勉強した内容の整理を頭の中で行なったり、身体を休めたりしていました。1日のリラックスのルーティンのようなものを作っておくと、精神面で安定してきます。


模試は1ヶ月に1回は最低でも受ける

模試というのは、自分の力を発揮できる機会であるとともに、自分の実力を周りと相対化して知ることのできる機会でもあります。また、自分と同じ志望校を目指すライバルが現時点でどれくらいの実力なのか、ライバルの実力をも知ることのできる絶好のチャンスです。

私は実力を知るのが怖く、2ヶ月に1回くらいしか受けていませんでした。今でもとても後悔しています。模試は結果の良し悪しではないのです。むしろ、結果から苦手分野を分析して、苦手分野をいかに潰していくか、という穴埋めゲームのようなものです。模試を受けない、というのはそもそも受験の土俵に立てていません。「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」という古語がありますよね。まずは自分の実力を知るために、校外の模試をどんどん受けることをおすすめします。



そんなこんなで6月から夏にかけてはモチベーションも高く、順調に受験勉強は進んでいました。この夏頃から、夏期講習のスタディサプリで日本史の通史を始めました。苦手だった日本史が夏が終わった頃からだんだん伸びてきた実感を得られました。夏のセンター模試でも、得意教科であった国語を筆頭に目標点数を上回り、波に乗っていました。


秋に入ってからの急失速。直前なのにメンタルはどん底へ

しかし夏が終わり、秋に入った9月頃に、勉強時間、モチベーションが落ちてきました。思えば、夏で結構根詰めてやったので甘えていたんだと思います。勉強時間は10時間9時間8時間7時間6時間とだんだん減っていき、量が落ちると質の方も自ずと落ちていきました。そして迎えた10月後半の早慶模試。結果は勿論ですが散々でした。この結果を見て、さすがに「やばい」と感じたため、11月から巻き返そうと思い、過去問演習を始めつつ、また初心に返って基礎を固めていました。

過去問演習を始めて分かったのは、予定通りの時間にはなかなか終わらない、ということです。2時間で学習院の英語を終わらせよう!と思っても、解説をじっくり読んだり、分からなかったところを読んでいるだけでも結構時間を食います。そうしたこともあって、過去問演習の方はあんまり予定通りに進みませんでした。

おそらく、受験勉強していく中で11.12月が1番メンタル的に不安定だったと思います。本番が近づくことへの焦りと、演習が思うように進んでいないことへの不安感、そんな感情で頭がいっぱいでした。


不本意な志望校の引き下げ

12月くらいに最終的な志望校を決める時になり、今の成績と、今年の受験生の動向と各大学の難易度、譲れない最低ラインを鑑みて、第一志望を明治大学の文学部に変えました。変えたと言っても安全志向の親に半ば無理やり変更させられた形だったので、私的には納得いっていませんでした。

しかし、過去問演習を続けていくにつれ、この選択は妥当だったと後から思います。夢を追いかけるのも大事ですが、自分の実力を客観視して、無謀ではない大学に進路変更するのもまた大事なことでした。

そして迎えたセンター試験本番。センターの本番はそこまで緊張せず、むしろ「今までの努力見せつけたんで!」と意気込んでるくらいの気概でした。結果は国語95%、英語86%、日本史75% 程度。やはり苦手教科の日本史がここでも足を引っ張ってしまいました。

あまりにも緊張した最初の私大入試日

日本史への危機感から、センターが終わった後は過去問演習と並行しつつ、ほとんど日本史に時間を費やして、英語、国語に関しては単語や構文などの基本的なことしかやっていませんでした。

そして2月になり、私大の入試が始まりました。はじめは法政。この日まで人生の中で一番緊張した日は高校入試当日だと思っていましたが、それを塗り替えるはめになりました。家を出る瞬間から緊張して、変な汗が止まりませんでした。あげく行きの電車でお腹が痛くなりトイレに駆け込むという醜態。本当、1番最初の入試はめちゃくちゃ緊張するので、受ける大学は考えた方が良いです。

2校目からは消化試合でした。学習院、東洋、明治と受けましたが、あんまり入試当日の記憶がありません。淡々と受けていたように思います。


結果発表。1番はじめは学習院でした。入試の自己採点では85%をどの教科とも超えていたので、去年の最低点を考えれば、受かるはずでした。でも不合格。補欠にすらなってませんでした。入試当日は何があるか分かりませんね。今でこそこう楽観的に言えますが、当時はメンタルずたぼろでした。だって絶対受かると思ってた学校に落ちたんですから。それはもう人生否定された気分でした。

2番が法政。自己採点では去年の最低点スレスレ。正直落ちてもおかしくなかったです。ただ、日本史が90%超えでした。センター後の詰め込みが功を成したのでしょう。結果は合格でした。前日学習院がだめだったため、二浪することまで考えたので安堵の気持ちで一杯でした。

そして東洋。正直法政に合格したので、受かってても落ちててもどっちでもよかったのですが、一応発表を見ました。驚きの不合格。開いた口が塞がりませんでした。受けた入試の中で最も手応えがあったからです。

最後に明治大学。入試当日問題を見た瞬間に、「あ、これは落ちたわ」と確信しました。日本史の大問で苦手な部分の文化史が記述つきで出たのです。過去問と形式、難易度共に異なっていて困惑しました。結果はもちろん不合格。これに関しては何となく察していたので、別に落胆もしませんでした。


武道サークルにバイトに授業。忙しいながらも充実した大学生活のスタート。

かくして法政という合格チケットを手に入れ、法政大学に入学し、今は大学一年生をしています。

大学生というのは暇なようでめちゃくちゃ忙しいです。自分の自由な時間を確保するために、たくさんの義務を果たさなければなりません。受験生だった頃を振り返ると、「勉強しかやらなくていいなんて羨ましいな」とか思ってしまいます。受験生だった頃の私が聞いたら憤慨すると思いますけどね。

受験生のみなさんも、今しかできない受験勉強という青春を謳歌して、ぜひ第一志望の大学に入学して欲しいです。

ここまで読んで下さり、ありがとうございます。私の成功体験か失敗体験かよく分からない受験経験がみなさんの糧になったなら幸いです。受験生のみなさんの第一志望合格を心から願っています。応援しています。頑張って下さいね!



有名な大学に合格した大学生も決して順風満帆ではありません。どんな苦労があるのかを今のうちから知っておくのもいいと思います。以下はイクスタの大学生の体験記です。

参考:進学校だって早慶に落ちるんだ!受験を甘く見た不合格体験記 - イクスタ

参考:高校で下位25%にいた僕が埼玉大学工学部に合格できるまでの勉強法と参考書! - イクスタ

参考:君は16時間勉強できるか?明治に逆転合格しすぎた男の勉強時間と生活習慣 - イクスタ

参考:【英語】偏差値50の高校の評定3.1でも5月からMarchに合格した英語の勉強法 - イクスタ


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欠席率、途中解約率0%!
イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成

本気で合格するためにはどの教材を、いつまでに、どれくらい終わらせる必要があるのかを志望校データや教材のレベル別に全ての教科で洗い出し、明確に予定を立てます。
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。

イクスタコーチ

> 論理的で抜け漏れのない受験計画の立て方が分かる イクスタコーチ


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