数学が伸びる気がしなくてヤバい受験生へ贈る、初心者が着実に伸ばす勉強法と参考書
こんにちは、あべべべべです。
横浜国立大学 理工学部 数物電子情報系学科、で数学をとことん勉強しています。大手予備校のスタッフとして毎年数十人の理系の受験生の指導をしてきました。

土井万智(どいまさと)イクスタコーチ 問題解決できる強い受験生を育成
あべべべは僕の高校と予備校時代の後輩で、大学では早くからインターンを始めて大学2年でユニクロの内定を取ったグッドガイです。
数学の勉強は簡単には効率化できないし、かといって真面目にコツコツ進めるには時間がかかりすぎます。
押さえるべきところを押さえてクレバーに難関大学で合格点を取るまでの方法をお伝えしています!ぜひ今日からの数学の作戦に生かしてください!
そもそも数学の勉強法をわかっていない受験生がなんと多いことか...!
これまでに国公立理系、私立理系、国公立文系など大学受験で数学を使う数多くの受験生の相談に乗ってきた経験があるんですが、毎週、数学の質問対応をしている中で感じるのは「そもそも数学の勉強法がよくわかっていない」受験生が多いということです。
そこで今回は、ほとんど全く数学ができない、嫌いな受験生が対象です。具体的には現在共通テスト数学が40点以下しか取れないが、入試までには共通テスト数学で80点以上を取れるようにならなければいけない受験生です。数学は概念から理解できないとなかなか高得点を取ることは難しいので、成績を上げる方法を理解して欲しいと思います。共通テストに変わって、センター数学よりも得点が読めなくなったのも受験生にとっては辛いポイントですね。
数学が苦手な受験生が大学受験で使えるレベルの成績を取るための勉強法
いま数学が苦手でも、数学の勉強法を正しく理解して適切な参考書を使用すれば、共通テスト数学で80点を狙うことは可能です。ちなみに国公立理系やMarch以上の理系、文系の難関国公立大学を目指している受験生にとって共通テスト数学で80点が必要になります。
また共通テストで80点とは言わず、90点や満点を目指している受験生にとってもこの記事は数学の苦手を克服するための1ステップにしてもらえれば幸いです。
それでは、概念から理解するということとは…?
概念理解とは簡単に言ってしまえば「人の考え」を「自分の考えのように使う」ということです。それも100%完璧に。
それでもいまいちピンときませんよね。では例をあげて具体的に見ていきましょう。
概念理解その1
昔々、数学の偉人、アベベがある公式を作りました。
x^2−2xy+y^2=(x−y)^2
よく見慣れた式ですね〜
アベベはこの公式をどのような考えで作ったのか・・・それは「因数分解をして効率良く計算する」ためです。
x^2−4x+4=0
xを求めよ。と言われた時、この式とずっとにらめっこしてx=1,2,3,,,,と、いちいち確認しても答えは出ます。でも私たちは「因数分解して効率良く計算する」方法を知っています。
x^2−4x+4=(x−2)^2=0
として、x=2だ!と簡単に出ます!
アベベの考えをうまく利用して自分で使いこなせましたね。これが「自分の考えのように使う」ということです。
この考えを理解した人は次の式で何かひらめくものがあるかもしれません。
21^2−924+22^2=?
む?難しくはないがめんどくさいな…なんかもっと簡単にできないだろうか。
前も後ろも2乗…もしや!
21^2−2・21・22+22^2=(21−22)^2=(−1)^2=1
2乗の計算をしなくていいのでだいぶ楽ですよね!効率がいい!
今のは少し簡単だと思うのでもう1つ例をあげて一緒に考えましょう!
概念理解その2
最初にこの定理を紹介します。
メネラウスの定理
概念「特別な四角形において、決まった辺の比の積が1になる。」
問い)CE:EA=1:2の時、GC/DG=?
私は一瞬、方べきの定理かな?と思ってしまいましたが問題文、問いをよく見てみましょう。
求めるべきGC/DG はD⇨G⇨Cとどこかで見たような辺の取り方をしています!
ここでメネラウスの概念「決まった辺の比」のとり方にピンときたら超すごいです!
たったこれだけでメネラウスがひらめく人はなかなかいないと思います。この段階では「メネラウスっぽいな〜」ぐらいで上出来です。それでは他に判断材料があるのか?
ここでメネラウスの定理の概念を『発展』させていればピンときます。
メネラウスの定理は式(分数)が特徴的。これは「辺の長さが具体的にわからなくても、辺の比(分数の形)さえわかれば立式できることがある」というふうにも考えられます!
※比を分数にするには…
CE:EA=1:2
⇨2・CE=1・EA
⇨CE/EA=1/2
「辺の比さえわかれば立式できる」⇨GC/DGは比の形。問題文より、比で表された辺が多く、図形に書き込んでいくと変な四角形が…
と、なんだか見えてきました!
それでは3分くらい時間をとって自力で解いてみましょう!
〜解説〜
四角形ADGEに注目!
メネラウスの定理
AF/FD・DG/GC・CE/AE=1
※問題文より、
AF/FD=2/3
CE/EA=1/2
つまり残すはDG/GCのみ!)
2/3・DG/GC・1/2=1
DG/GC=3
答)GC/DG=1/3
と出る!
実はこれ、2016年のセンター試験数1aの問題です。みなさん解けたでしょうか?
メネラウスの独特な比の取り方、比と分数の関係の概念を理解している人はピンとくる問題だったと思います。
数学は概念を定着させて扱えると楽しくなってくる
「試験本番では、こんな簡単にいかないだろ」と思ったあなた。たしかに本番では、問題に必要な概念の説明は前もってしてくれません。もっと考えなきゃ解けない難しい問題かもしれません。しかし何回も復習することで記憶を定着させ、すべての概念を教えられた直後に近い状態にすることができます。そして演習を通して、概念をいかに発展させるか、自分の考えのように扱うことができるか、これが概念理解なのです。
そして、問題を見て数ある中からピンポイントで概念を引き出すとき、それは「ひらめき」となり、数学にとって最も楽しい瞬間になると思います。
さらにさらに!みなさんもこれまでにスポーツやゲームなどで
「最初はつまらなかったけど、できるようになったら楽しくなってきた」
体験をしたことはありませんか?数学も同じように楽しむことができるようになります。数学に対する考え方や概念をとらえ方を少し工夫すればいいのです!
学校の定期テストは概念理解が甘くても点が取れる
学校の定期テストは、範囲が決まっていて教科書の類題が多いので、概念理解しなくても「計算の仕方」だけ覚えてしまえば点は取れます。定期テストの点は良かった!という人も今一度、数学の勉強法について思い返してみてください。公式丸暗記?解き方丸暗記?
そこに概念理解はあるのか?
概念理解が苦手な受験生がまず取り組むべき入り口の参考書
紹介するこの参考書は現在、共通テスト数学の模試や過去問で40点も取れていない、だけど大学受験で数学をしっかり使うためここから成績を伸ばさなければいけない受験生が対象です。
大学受験を意識し始め、本格的に受験勉強を始めたが、数学が苦手な受験生にとって役に立つ参考書です。
数学がどうしようもなく苦手で途方に暮れている受験生、たくさんいると思います。まずこの参考書から始めましょう!
初めから始める数学I
初めから始める数学II
なぜこの参考書はおすすめ?
この参考書をおすすめする理由は「数学に苦手意識を持っている、何もわからない」受験生を対象にとてもわかりやすく書かれているところです。
私はこれまでに大学受験で数学を使いましたし、予備校でも多くの数学が苦手な受験生の質問に乗ってきました。その経験から言っても、この参考書は数学が苦手な受験生のポイントをよくおさえていると言えます。
数学が苦手な人にターゲットを絞った参考書
数学の教科書などはとてもシンプルに作られていて、良く言えばシンプルに本質を理解することができる人にとってはとても良い本になっていいます。一方で数学が苦手な人にとってはとっつきにくい感じも与えます。教科書なのに不親切..!
また要点のまとまっている問題集を使おうとしても公式を理解できていないとどんな問題もとけず、意味がなくなってしまいます。
それに比べてこの参考書は丁寧に公式のなりたちなどが説明されているので数学の入門書としてはばっちりです。
この参考書はレベル別によってシリーズ化されているので、難しかったり簡単だったりする場合には違うレベルの参考書に移動すれば、スムーズに自分のレベルにあった数学の勉強をすることができます。
マセマの具体的な使い方
この参考書に限らず、数学の勉強を進める際に気をつけてほしいのが、「単元はまとめて進めましょう」ということです。
数学は単元ごとに使う公式や定理が共通しているので、まとめて頭に入れてしまった方が定着が良いです。できれば1単元は1日で終わらせることを目安に勉強を進めましょう。
1つの単元を何日かに分けてしまうのは、イメージや集中力が切れてしまうのでおすすめしません。長くても2,3日で1単元を終わらせるような勉強計画を立ててください。このルールを守ることで、単元ごとの理解が深まります。
数学を勉強していると、どうしても理解ができない公式や定理が出てきます。では、理解できないものに対してどれくらい時間をかけるかというと、理解ができるまで時間をかけてください。
1つの単元や公式に何週間も時間をかけるのはさすがに時間をかけすぎですが、一番大事なのは公式や定理のなりたちを自分で理解することです。
特に志望校が難関大学になればなるほど、公式や定理のなりたちを自分で理解していないと解けない問題が出題されます。理解できないとつらいでしょうが、自分で理解できるまでねばりましょう。
どうしても自分ではわからない場合には人に聞きましょう!イクスタでも数学の質問をお受けしています。サイトの相談機能やLINE@から質問してください。
この参考書を使い終わったら次に進んでほしい参考書
マセマの初めから始めるが終わったら、次の教材はいくつかのパターンがあります。1つ目はそのまま正直に「初めから解ける」で演習を積む方法。2つ目は「初めから解ける」を飛ばしてマセマの「元気が出る」に進むパターン
3つ目は基礎問題精講に進むパターン、4つ目はチャートやフォーカスなど網羅系に進むパターンです。
学校でどれくらい数学をやっているかや元々数学がどれくらい得意か、志望校や現在の成績によりますのでじっくり本屋さんで実物を見て考えて決めるべきです。
国公立理系志望の受験生が進むべき勉強法・参考書
国公立理系志望の受験生は当然、入学試験で高いレベルの数学力が求められます。そのため、まず、センター数学・共通テスト実践問題集の過去問を解いて自分の実力をチェックしましょう。
数学が70点ほど取れるようになっていれば、数学の基礎は定着していると言っていいです。そのため、センター数学の過去問や実践問題集をたくさんといてセンター・共通テスト形式になれつつ、公式や定理の使い方をものにしましょう。
難関国公立を志望している受験生には一対一対応 大学への数学といった参考書がおすすめです。
私立理系志望の受験生が次に進むべき勉強法・参考書
私立理系でも国公立と同様に入試レベルでは高い数学力を求められます、まずセンター過去問・共通テスト実践問題集を解いて自分の位置を確認しましょう。これらの数学で70点ほど取れるようになっていれば数学の基礎はできているということなので、一対一数学や大学への数学と言った参考書に進みましょう!
もし共通テストレベルで50点くらいしか取れていない場合にはまだ数学の基礎が定着していないということです。この参考書を繰り返しましょう。
また志望校のレベルに合った問題形式の参考書で演習を繰り返すことで成績をアップさせましょう。
参考書を選ぶ際には解答と解説がしっかり書いてあるものがおすすめです。
国公立文系の受験生が次に進むべき勉強法・参考書
国公立文系の場合には東大、京大、一橋大学を除いて数学を使うのは共通テストのみです。さっそく共通テストの数学を解いて力試しをしてみましょう。
大問別に点数を出して、自分の得意不得意を明確にしながら苦手な単元を中心に対応をしていくことが重要です。国公立文系であれば共通テスト数学で80を得点することが目安です。それ以上の点数は伸ばすのが難しく時間がたくさんかかってしまうので、一旦は80点を目指しましょう。
文系数学の参考書は一冊を大切に!数学が苦手な受験生におすすめの参考書2選

土井万智(どいまさと)イクスタコーチ 問題解決できる強い受験生を育成
ここで、2021年イクスタコーチの卒業生で数学IAIIBがとても得意な石原のどかさんによる数学限定のオンライン個別指導をご紹介します。
「数学このままでいいか不安...」という受験生はぜひ一度相談してください!数学だけが克服できなくて志望校に届かないという受験生の助けになりたい。イクスタコーチ土井の長い経験からも彼女を一押しします!
数学を入試レベルで通用するように押し上げ、合格できるようにのどかさんと私がサポートいたします。詳細はこちらの記事を読みご確認ください!
> なぜ君は数学IAIIBができるようにならないのか?旧帝大の二次で9割取ったNodokaが教える、数学勉強の極意 イクスタ
数学を勉強するにあたりおすすめの文房具
少し話が脱線しますが、数学の成績を上げるうえでどのノートを使うかは以外と大事です。
数学では数式が複雑になることもあるので、スムーズに計算を進め、頭の中を整理しやすくするためにどのノートを使うかは以外と重要なのです!
私がおすすめするのは、マルマンの無地のルーズリーフです。
私は大学では数学を専攻していますが、私の周りでもこのルーズリーフを使っている人は多いです!
ではなぜこのルーズリーフがおすすめかというと、
① 罫線がなく、自分の書きたいようにかける
このルーズリーフは無地なので、当然罫線がありません。そのため、計算式や図を自由に書くことができます。
計算用紙はいわば自分の脳の中です。なににも制限を受けず、自分で式を立てていくことができて快感です。
罫線があると、自分の書いている計算式の流れが罫線によって途切れてしまうことがあり、中途半端になってしまうこともあります。
② 入試問題も無地の回答用紙に計算式を書く
共通テストはすべてマーク式なので関係ありませんが、一般入試、特に国公立の入試問題は多くが記述式です。国公立の数学では部分点をちゃんと取れるかがとても大事になってきます。
問題が難しすぎて回答を出すことができない場合があるので、その際には途中式で部分点をもらいます。部分点を取るためには途中まで解いたことを採点者に示す必要があるので、回答用紙に途中式を書き残します。
大学入試での回答用紙は無地の紙です。無地の枠の中に途中式を書いていく必要があります。そのため普段から無地のルーズリーフに計算式を書く癖を残すことで、入試の際に焦らず、途中の計算式を書き残すことができます。
大学入試本番で無地の回答用紙に途中計算を残すことを考えると、普段から無地の紙に途中式を書く癖をつけておいた方がいいでしょう。
数学を勉強する際の具体的なノートの取り方
私が数学のノートを取る際には、まずノートの真ん中に縦の線を入れて、ノートを縦長に2分割した状態で使用します。縦に2分割することで左上から左下に書き終わり、次に右上から右下に書き進めます。このように使うことで1ページのなかに多くの式を書くことができます。
また、途中計算は裏紙などに書いておき、式の展開に関係しない計算はノートに書きません。ノートに書くのは、答えを出すために必要な式の展開だけにします。そうすることで、自分であとで見直したときに、ポイントを掴みやすくなります。
数学が苦手でも、適切なステップを踏んで勉強を進めれば、数学はちゃんとできるようになります。


イクスタからのお知らせ
入試までの勉強スケジュールはすべて頭に入っていますか?Noだったら今すぐ読んだ方がいいです。
あまりに多くの大学受験生が、本当に大事なことを知らないまま大学受験を終えます。5つの質問に答えることで、そもそもあなたが難関大学に合格できるポテンシャルがあるかが分かります。受験での見落としを無くして欲しいのすべて読んでください。
数学概論




