お金と時間をドブに捨てる末路...元予備校スタッフが語る、予備校と参考書の賢い使い方
大学受験で難関大学に合格するためには進学校に通っていることや予備校に通っていること、大量の参考書が必要だという暗黙の了解がある。本当だろうか。
賢くスマートに大学受験を攻略する4つの方法 - 土井万智(どいまさと)の公式ページ
人生の競争で勝つために何を選ぶべきか
就職活動において、東証一部上場企業や急成長中のスタートアップ企業を狙うには大学名は不可欠なファクターであることは依然として変わらない。東大・京大・早慶が優遇される現実がある。だからこそ大学受験の競争は激しい。昨今の小学校のお受験ブームも、難関大学への入学を目標としたプロセスが早まっている結果だと見ることができる。
大学受験で成功するために多くの受験生や保護者がしのぎを削る環境において、難関大学への合格を達成するためにさまざまな手段がある。その中でも予備校や参考書を活用するのは前提だという考え方が一般的で、総論としてはその通りだ。
だが、予備校と参考書の活用法といっても何千何万通りの種類がある。
自身が進学校出身、大手予備校を活用し、現役一般で早稲田大学に入学後、予備校のスタッフとして3校舎を経験してきた。大学入学後にイクスタというメディアを立ち上げてから、現役の大学生や予備校スタッフに現場の実情をヒアリングする中で、成功する受験生とそうでない受験生の差がはっきりと見えてきた。
◯ 予備校と参考書を賢く使える受験生&保護者
◯ 予備校と参考書にお金を払ってはまるっきり無駄にしてしまう受験生&保護者
両者の構図には大きな違いがある。
年間150万円使っても全く結果が出ず失敗してしまうと受験生本人も落ち込み保護者との間にもピキッとした空気が流れる、緊迫した状況になりかねない。大金を失い成果も出ないという失敗体験は、その後社会人になってもトラウマとして引きずることは珍しくない。
お金と時間がドブに流れていく
予備校も参考書も正しく使えば期待通りの効果が出せる。
十分費用対効果の叶うものだ。大学名が1ランク違えば、生涯の環境が異なってしまうのは否定できない。
筆者が大学生や新卒の頃は大学名で人生が決まるなんてあってはならないと熱い思いを持っていたが、社会を知るにつれてそこには厳然たる埋めがたい差があり、それが社会にとっての合理的な選択の結果であることにも納得することとなった。
もちろん、大学名だけではなく就職活動や就職後の努力や運で大きな変化を生み出すことができるが、同じ努力をできるのであれば大学名がレバレッジ(=てこ)になってもっと大きな成功に近づける。
大学名が大きなレバレッジになる理由や背景はこの記事では割愛するが、多くの社会人が気付いているからこそ、大学受験は依然として激しい競争環境が維持されている。
人生での費用対効果を出す目的で予備校も参考書も正しく使うために、何から考え始めればいいのか。
まず、予備校や参考書を正しく使えていないエラーパターンを紹介しよう。
「大手予備校に通っているから、予備校に言われたことを聞いていればなんとかなる」
「先輩やネットで成功していた参考書を買って終わらせれば合格できる」
こうしたエラーパターンにはどのような死角があるのだろうか。
大学受験は20階建てのタワーマンションを立てるようなものだ。
たくさんの住居があり、それぞれの住居にはキッチンがあり玄関がありと複雑な構造から成り立っている。
大学受験の成功をタワーマンションの完成と例えるとすると、予備校はキッチンを担当する業者、参考書は壁や柱の建材と例えることができる。
業者や建材を使う前に、まずどのようなタワーマンションを立てるべきなのか、という設計図が必須だ。
国公立志望なら共テと二次試験、私立大学なら個別試験で合格最低点を取るためには、各科目の各分野でどのような水準の力が求められているのか、自分はそれに対して何がどれくらい足りないのかを把握して、その差を埋めるために、どのレベルの予備校や参考書を使うのか、という順番で考えたい。
ひとまず予備校の授業を受け始めるのは悪い選択肢でないにしても、予備校の半期15回60分の合計9時間程度の授業で何かの分野が完成するということはない。
例えばMARCH・関関同立の合格を目指す上で、英文法は最低でも500問程度、数学も400問程度の定番のパターンを理解していることが必要。他の科目は割愛するが、予備校の授業だけで完結する分野はない。
また、予備校の進路面談でも具体的な設計図に踏み込むことはない。数ヶ月に1度の60分程度の面談では設計図の具体的内容に踏み込むことはできない。模試の結果などから、苦手な科目を選ぶ程度にとどまってしまう。
本当に必要なのは、志望校の合格最低点を取るために必要な力と、今の自分の状況の詳しい分析だ。
参考書も同様で、その参考書を始めるレベルや「参考書をやる」の定義が曖昧なまま語られている。
有名な参考書で合格している人がいる一方、その裏には同じ参考書を使って不合格になっている人がいる。
どの知識・理解・技術をどこからどこまで伸ばすためにどの参考書を使うのか。
その参考書の定着度がどの程度になったらどのレベルに到達するのか。
そもそもその参考書を始めた時点での学力は千差万別だ。
参考書を使うことは手段であって、参考書を使うこと自体が目的にすり替わってしまう自体は避けたい。
あたかもその参考書を使うだけで合格できる、といった噂を信じたくなる気持ちは分かるが、難関大学合格はそれほどシンプルなものではないのはご想像の通りだ。
予備校と参考書を賢く使うためには設計図が必要だということがわかったところで、ではその設計図を作るためには何を準備すればいいのか。
それは3つのステップに分けられる。
自分だけの設計図を作る3つの視点
1つ目が目標、2つ目が教材、3つ目が自己管理だ。
1つ目は「どこに向かうのか」ということ。
今の自分と志望校合格点の差はどれくらいあるのかを詳しく数値化、言語化することだ。
この差は十人十色でマニュアルのようにテンプレ化することはできないので、毎度自分で詳細に調べる必要がある。過去問の問題を見てどのような力が必要なのかを推測し、また一方で共通テスト模試やセンター過去問を解いて自分の科目ごと、分野ごとの知識・理解・技術を把握する。
このステップで、これからどこにどのスピードで向かえばいいのかを整理することができる。
2つ目は「何を使うのか」ということ。
前のステップで整理した目標を達成するために、どんな手段を使うのか。
予備校の授業や参考書の授業もここに含まれる。
予備校の授業やそれぞれの参考書を終わらせたら、いつどんな力がつくのかを詳細に言語化する。
1つのコースや参考書で何かが完結することは稀なので、それらが終わったらそのあとには何をやるべきなのかを今の時点から想定して、そのスケジュールも推測する。「この授業や参考書を終わらせたのに思ったより成績が伸びていなかった」という事態は避けたい。
自分の教材を決めるためには、多くの知識や情報が必要になる。英語の有名な参考書だけでも100冊以上あるため、自分に合った教材を選び出すだけでも一苦労だ。
3つ目は「どうやって進めるのか」ということ。
ここまでのステップで、いつ・何をやるのかが決まった。
これを決めてから、それをやりきるのもまた難しいところで、いざ勉強を始めてみると予想外の展開がいくつも起きる。
「教材が思っていたよりも簡単だった」
「やる気・モチベーションが続かない」
「科目ごとのバランスを決めることができない」
予想外のことが同時に複数起きた時に問題なのは、一体何が起きていて今後どのような変化が必要なのか、を把握しきれないことだ。
大学受験は問題解決・目標達成プロセスの一部でしかない
ここで求められるのは、起きていることと今後必要な変化を言語化することだ。
何かしらの問題が起きたら、それを解決するためにはどうすればいいのかを逐一整理して、何かしらの決断をする。言葉で整理することができればそれを認識できて、認識することができれば解決策を思いつくことができる。
目標、教材、自己管理この3つの視点から自分だけの設計図を書いて、それを定期的に更新する。
その設計図を元に、どのような予備校や参考書が必要なのかを毎度整理する。
必要なものがあれば購入するか導入するかの決断を行う。
こうしたサイクルを作ることができれば、自分が不合格になる可能性を低めることができる。
大学受験は「勉強ができる」かどうかよりも、こうしたセルフマネジメントができるかどうかの方が重要だ。
大学受験全体を目標達成のプロセスと捉え直して、その中に結果として「勉強すること」が組み込まれている。
こうした考えのもと、私は4つの手段を準備している。
1つ目は今記事をお読みになっているイクスタ。Webサイトとして大学受験に必要なノウハウや考え方をテキストベースで発信している。
2つ目はYouTubチャンネル。各科目の勉強法や参考書を動画形式で説明している。
3つ目は書籍。ネットに繋がず一連の情報を手元で確認できる媒体として書籍にまとめている。
4つ目はイクスタコーチ。志望校に合格するために必要な情報や意思決定を私が1対1のオンライン面談でサポートする。目標、教材、自己管理を整理して、受験生として自立できるように鍛える。何をやればいいか分からないという状態から、問題が起きた時の相談役、やる気が起きない際の監視人としてご活用いただける。
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▶︎ 週に1度、今週の自分の課題とタスクを確定させることができる
▶︎ 毎週の土井との60分面談で成功体験を積み上げることができる
▶︎ 24時間365日、受験の悩みや不安をテキストで土井に直接相談できる
この4つの手段の中から、今の自分に合った手段を活用いただければ嬉しい。
イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。
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