センター試験が廃止でTOEICやTEAPが出願条件に?変わる入試と必需の英語力
2020年、大学入試が変わります。
文部科学省は、昨年12月に「2020年から大学入試の形を変えていく」方針を発表しました。皆さんはご存知でしょうか?
今年は2015年。この改革が進めば、5年後には現在の「センター試験」も廃止され、新しい形のテストへと変わる可能性が高いのです。そんな大学受験改革を目前にし、現在もすでに少しずつ入試の形が変わりつつあります。この改革では今回はその柱となる「英語外部試験」をキーワードにお話をしていきます。
新しいテストの形
2020年以降に導入が予定されている“新型テスト”。まだまだ形がはっきりしておらず、様々な憶測がなされています。しかし、そのテストで「英語4技能を重視する」という方針は発表されています。英語4技能とは、reading・writing・speaking・listeningのことです。これらの能力を4つともまんべんなく身につけたうえで使用できることが、より大切になるのです。
この4技能の重視を受け、大学入試で“英語外部試験”のスコアを利用できる形が生まれました。英語外部試験の対象となる試験には、「英検」や「TOEIC」も含まれています。皆さんにも身近な試験ですね。
これに伴い、英検を運営する日本英語検定協会は上智大学と共同開発を行い、TEAPという出願条件となる試験を開発しました。さらに現大学1年生が受験をした2015年度入試では、実際に上智大学をはじめとした大学がさっそくそれらの英語外部試験の利用を導入しています。今後は、さらに導入の幅が広がる見込みです。
英語があなたのアピールポイントになる
この流れは、英語に力を入れているあなたにとって最高のアピールポイントとなることでしょう。現高校3年生が受験する2016年度入試から新たに英語外部試験の利用を始める大学には、関東圏の国立大学ですと横浜国立大学、首都大学東京、千葉大学など、私立ですと東京理科大学、東洋大学、またMARCHからは青山学院大学、立教大学、法政大学があがります(参考≫河合塾調べ)
それぞれ医学部や国際系学部など1部での導入ですが、東洋大学では英語外部試験で一定の結果を出すと「センター試験・英語を満点扱い」にするといった待遇があります。すごいですね。
英語外部試験の主な種類は次の章でご紹介しますが、どれも入試のためだけでなく、大学入学後にも役立つ試験ばかりです。気になる方は大学の応募要項をくまなくチェックしてみてください。
主流の英語外部試験を抜粋してみた
河合塾の調査によると、英語外部試験の対象となるテストは約10種類以上存在するようです。この中には先ほどご紹介した「TEAP」や、おなじみの「英検」や「TOEIC」なども含まれています。
しかし、中には大学生でも一部しか受験しないような英語試験も存在。チャレンジ精神旺盛な皆さんに少しでも合った試験と出会ってもらえるように、河合塾のデータをもとにして主流の英語外部試験をご紹介します。(試験名をクリックすると詳細ページを見れます)
(1) TOEFL iBT
受験料:US$230(申し込みが特殊です)
“TOEFL iBT テストは、大学レベルの英語を使用および理解する能力を測定します。さらに、listening、reading、speaking、writingの各スキルを組み合わせて、学術的な課題を遂行する能力も評価します。“
まずTOEFLとはTest of Enlish as a Foreign Languageの略で様々な英語圏の大学に留学する際の条件になる英語資格のことです。そしてiBTとはInternet based testingの略でパソコンを用いて受験するテストの形になります。
4技能をすべて受験するため根気が必要ですが、2016年度から英語外部試験の利用を始める大学の多くが採用する試験となります。河合塾が抜粋したデータに載っている18大学21学部の中でも16大学19学部が採用していることがわかります。
参考≫TOEFL iBTとは
(2) 英検
受験料:1500円~8400円(級によって異なる)
“英検の出題形式には、高校や大学の入試試験と多くの共通点があります。例えば、センター試験のリスニングテストには、会話や文章を聞いて質問に答える形式があり、英検の準2級や2級のレベル・出題形式との共通点が多く見られます。”
文部科学省が後援している資格であるだけあって、入試勉強にもつながります。また、日本人にとって非常に身近な英語資格であるため取り組みやすいという点もメリットでしょう。ここであげている5つの中では唯一「検定」として合格・不合格がある試験。高校2年生の冬までに2級合格を目指せるとベターです。より強いアピールポイントにしたいあなたは、準1級を目標に取り組みましょう!
参考≫英検公式サイト
(3) IELTS
受験料:25,380円
“International English Language Testing System(IELTS:アイエルツ)は、海外留学や研修のために英語力を証明する必要のある方、およびイギリス、オーストラリア、カナダなどへの海外移住申請に最適なテストです。”
主に留学時のビザ取得条件となるテストです。世界で250万人もの人が1年に受験しているとのことですから、とても大きな試験である印象を受けます。speakingテストのときに面接官と1対1で会話をすることができるのも特徴です。
お値段が高い試験ですから慎重に。留学を決めているあなたは、このレベルを目標に日々取り組んでおくと大学入試にも留学にも役立ちます。
参考≫IELTS公式サイト
(4) TOEIC
受験料:5,725円(税込)
“TOEIC各テストのスコアは、英語力を客観的に証明する指標として、進学や就職などの様々な場面でご活用いただけます。一方で、学校では進学や卒業などの、企業では昇級・昇格や海外派遣などの指標・基準としても活用されています。”
ここであげている試験の中では英検の次に身近な存在。申し込みも簡単です。しかしビジネス英語が主流ですので頻出の語彙には少し抵抗があるかもしれません。反対に、経済学やビジネス英語に興味のある方にとってはなじみやすいものになるでしょう。
2時間程度かかる試験ですから体力がいりますが、listeningとreadingの力を測るにはもってこい。英検の次に来るステップとして捉えておくとよいでしょう。
参考≫TOEIC公式サイト
(5) TEAP
受験料:6000円~15000円(検定技能数により異なる)
“TEAPは主に高校3年生を対象とした大学入試を想定して開発されております。テスト構成は日本における「大学教育レベルにふさわしい英語力」を測るうえで適切な設計となっており、テスト内容はすべて大学教育(留学も含む)で遭遇する場面を考慮して作成されております。”
日本英語検定協会が上智大学と共同で開発した、大学入試用のための試験です。上智大学の公式サイトによるとあくまでも“出願の必要条件”であり合否には影響しないとのこと。基準スコアを満たせば出願できるけれど、満たさなければ出願できないのです。
英語外部試験の中でも今後もっとも導入が見込まれる試験であり、早い段階から対策が必要なテストとしてチェックしておきたい試験。受験回数は無制限で、獲得スコアは受験2回分保有できるとのことですので来年・2017年度入試を受ける現高校2年生は今から取り組み始めましょう。
出典:TEAP受験案内
参考≫TEAP公式サイト
終わりに
年々移りゆく受験の姿は、高校生の皆さんに不安を与えているかもしれません。しかし、その中でも「英語力向上」という目標は、皆さんを裏切ることを知らないでしょう。
グローバル化により前進する日本にとって、「英語」の存在は非常に重要ですから、皆さんが今必死に学んでいる教科としての英語も、今だけでなくこれからずっと生きるものになるはずです。
今回ご紹介した試験を英語学習のよい指標として利用し、より自分の歩みたい道に近づいていきましょう!応援しています。
イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。
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