万葉集|日本史用語集
万葉集の概要
全20巻からなる日本に現存する最古の歌集。奈良時代に成立した。編者としては大伴家持がかかわっていたとされる説が有力であるが、詳細は不明。4536首の歌が収められている。
万葉集の解説
770年頃に成立したとされる現存する最古の歌集。全20巻からなるが、最初から20巻として編纂されたのではなく、段階的な成立過程があったとされ、統一感がない。歌は舒明天皇(600年くらい)から大伴家持(759年)の時代までの作品とされ、4期に分けられる。 歌の種類は数種類に及ぶ。5・7・5・7・7の短歌が4208首と最も多い。5・7・5・7調を反復する長歌が次に多い264首で、他は旋頭歌(せどうか)などがあり計4536首となっている。 歌の内容は、男女の恋愛を詠った相聞歌・死者への哀悼の意を詠った挽歌・上記二つ以外の雑歌の3つに分類される。万葉仮名で記された素朴な万葉調であるため、万葉集と呼ばれる由来となっている。 代表的歌人は、第1期が舒明天皇・天智天皇・額田王など、第2期は柿本人麻呂、第3期は大伴旅人、山部赤人や山上憶良、第4期は大伴家持、大伴坂上女郎などが挙げられる。 江戸時代の国学者である賀茂真淵によって注釈書「万葉考」が書かれた。これによって万葉注釈に多大な影響を与えたと言われている。