古事記|日本史用語集
古事記の概要
奈良時代初期に天皇の命により成立した史書。天武天皇の命で稗田阿礼(ひえだのあれ)に歴史を暗唱させ、太安万侶(おおのやすまろ)に編纂させた。712年に完成、元明天皇に献上された。全3巻。
古事記の解説
日本の神話の世界観をも併せ持ち、文学的要素も高い歴史書である。3巻で構成されている。上巻は神話であり日本神道の神典ともなっている。中巻の内容は神武天皇から応神天皇まで、下巻は仁徳天皇から推古天皇までが記されている。 天武天皇が、それまでの史書であった「帝紀」(天皇の皇位継承の史書。欽明朝頃に成立)と「旧辞」(古代の神話。欽明朝頃に成立)に修正を加えながら稗田阿礼に命じて誦習(しょうしゅう・節をつけて繰り返し朗読すること)させた。途中天武天皇の死によって中断されたが、元明天皇の命によって太安万侶が筆録し、和銅5年(712年)に献上した。 稗田阿礼は、28歳にして記憶力に優れた聡明な舎人(とねり)であった。稗田阿礼が女性であったとする説があるが、舎人とは従者のことを指すため、男性であったとされる説が有力である。 太安万侶の存在は史実として疑問視されていたが、昭和54年(1979年)に奈良県にある墓から太安万侶の墓誌が発掘され、存在が確認されている。
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