思考力、考える力をつけるためにはあらゆる場面で8つの関係性に着目する
こんにちは、> イクスタ代表・イクスタコーチ/土井万智(どいまさと)です!
前回、共通テストで得点できるような「思考力」や「考える力」を鍛えるためには、
「あること」がきっかけで「ある変化」が起きる原因と結果の関係性
に着目することが重要だとお伝えしました。
参考:共通テストとセンターの違いを明確に理解して高得点できるようになるたった一つの勉強法 - イクスタ
この原因と結果の関係性は非常に大切で、関係性の中心となるものですが、AとBにおける関係性は因果関係だけではなくいくつかの種類があります。
AとBには様々な関係があるので、他の関係性も理解して、応用することができれば、毎日の勉強の中でさらに思考力や考える力をつけていくことができます。共通テストでは2019年までのセンター試験と比べて「文脈」の中で判断する必要が場面が増えていきます。
AとBにおける関係性には以下のものがあります。簡単な例文と一緒にどんなものが説明していきますね!鍛えるためにオススメの本も紹介します!
8つの関係性の種類
1. 因果関係
2. 相関関係
3. 対立関係
4. 並列関係
5. 主述関係
6. 修飾関係
7. 補完関係
8. 状態の変化
因果関係
(A 食べ過ぎた )ので(B 太った)
→ 太った 直接的な原因は 食べ過ぎたこと
相関関係
(A 外出する頻度が減った)ので(B 太った)
→外出する頻度が減ったので運動する機会が減ったため太った
→外出頻度が減り運動する機会が減ったため摂取カロリーが消費カロリーを上回り、その結果太ったので、「外出する頻度が減った」のは「太った」直接的な因果関係ではないが、連動する関係がある
対立関係
(A 痩せている自分)と(B 太っている自分)
→ 反対の状態である関係、対立関係
並列関係
(A ステーキ)と(B ハンバーグ)と(C 焼肉)
→ 似ている兄弟のような関係、並列関係
主述関係
(A 店員)が(B ハンバーガーを作った)
主語「何が(だれが)」述語 …「どうする・どんなだ・何だ」にあたる関係
修飾関係
(A 焦げた) 皿の上の(B ハンバーグ)
→ ハンバーグの状態を表すのが修飾関係
補完関係
ハンバーガーの(A ハンバーグ)と(B パンズ)
→ ハンバーガーを作るためにはハンバーグとパンズはそれぞれ必要で、それぞれがないと成立しない関係
状態の変化
(A 作りたてハンバーガー)と(B 痛んだハンバーガー)
→ 時間の経過によりハンバーガーの状態が変化した
ここまでそれぞれ簡単な例で表してみました。AとBにおける関係には以上のような種類があります。今回は一文しか例にあげませんでしたが、もっとたくさんの例に触れることでより深く理解できると思いますので、さらに知りたい方はご自分で本を読んだり検索したりしてみてください。
関係性を整理しながら問題を解いていくことが遠いようで最短距離
特に英語の長文や国語全般、数学では確率や場合の数、全科目の記述問題ではAとBにおける関係性を整理できる力が問われます。
入試問題ではもちろん、参考書などの教材で問題を解いていくと、こうしたAとBの関係性を整理していかないと頭が混乱する場面が多々あります。特に言語力が必要とされる科目ではそうなることも...
AとBの関係性にはこれらのパターンがあることを理解することができれば、整理された状態で問題を解いていくことができます。
常に、出てきた主体の関係性を問題文を読みながら整理することができる力がついていけば、それはそのまま文脈把握力や読解力が上がっているということになっているんですね。
これらの力をつけていくことは、すでに発表されている大学入学共通テスト「思考力・判断力・表現力を活用して解く」問題に対応できる力をつけるための最短距離です。
例えばこれまでも現代文の勉強では、現代文の力をつけるためには知識やテクニックではなく、問題文の主旨を正確に把握するための勉強をする必要がありましたが、共通テストで求められる力はそれと似ています。
何かを覚えればすぐに成績が上がるわけではないため時間がかかりますが、結局このAとBの関係性を整理する力をつけることが共通テストのような問題で得点を取るためには最短距離何ですypね。
今後、共通テストでも大学の一般試験でも、文科省の方針によって、単純な知識やテクニックを覚えただけで解ける問題は減っていきます。
AとB、もしくはCやDなど、大学受験では本当に色々な要素が出てきますが、それら数多くの要素間に関係性を見つけてすぐに整理することができる力こそが、大学受験で点を取れる力になります。
難関大学になればなるほど、問題の量が多く時間内に回答するのが難しくなりますが、それはAやBの関係性を整理できていないため何度も問題文を読む必要があるからです。
関係性を整理するための練習法
ここまでご紹介してきた関係性の整理をするために私がオススメする練習法は本を読むことです。複雑な問題を解説するような本であれば、因果関係をはじめ、相関関係、対立関係などあらゆる関係性が出てくるので、自分の中で整理しながら読むことで、良い練習になります。
これまでの大学受験では「これを覚えれば点が取れる」という攻略法がありましたが、これからはどんどん、「すぐに対策できる」方法は減っていきます。なので、私自身、適切な本を丁寧に読むことがもっとも良い対策になると思っています。受験期直前でも、毎日30分でいいので本を読んで欲しいです。
本は政治や経済、社会問題を扱うものであれば大方の本は大丈夫だと思いますが、私がオススメするのは池上彰さんの「知らないと恥をかく世界の大問題」シリーズです。2020年11月現在ではシリーズ11作目まで出版されています。
知らないと恥をかく世界の大問題11 グローバリズムのその先 Amazon詳細ページ
目次
独断か? 協調か?
ポスト・コロナの世界
リーダーの決断を問う!
その時々の政治問題や経済問題、社会問題をいくつかピックアップして深く解説している本です。それぞれそれなりに深い問題を扱っているため、必然的に様々な項目の関係を解説することになり、多くの関係性を学ぶことができます。
本の中で毎回関係性の解説があるわけではないの自分で読み解いていく必要がありますが、最初はゆっくりと丁寧に読んで、できる範囲で関係性を整理していくことで、徐々に見えるようになってきます。
関係性を自分でノートにまとめることができれば、より定着が深まるので余裕があればぜひ取り組んでほしいと思います!
今回は、共通テストで得点できるような「思考力」や「考える力」を鍛えるための方法をお伝えしてきました。一回読んだだけでは忘れてしまうことが多いと思うので、ぜひすぐにお近くの本屋さんなどで何か本を買って、本を読む習慣を身につけて欲しいと思います!
予備校と参考書を賢く操れ。課題に追われるな。/土井万智(どいまさと)/早稲田大学教育学部出身/イクスタ代表
イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。
> 論理的で抜け漏れのない受験計画の立て方が分かる イクスタコーチ