生物の基礎を固めるには?二次試験で出る4パターンをどう攻略するか逆算思考の勉強法

生物ってどこからどこのレベルまで勉強すればいいの?

皆さんこんにちは。全国的に珍しい農学部に通うNaokiです。生物受験者はやはりマイナーということもあって不安に感じてしまうことが多いでしょう。

実際、私自身が通う農工大の試験を生物で受けたわけですが、生物って他の教科よりも情報が少ないんですね。すごく私も悩んだ覚えがあります。そのうえ、

「生物ってどう進めていけばいいの?」

「生物で今後やっていけるか不安なんです、、、」

という受験生の悩みに対して、

国公立の二次試験の出題レベルや出題形式を説明しながら、生物に必要な要素はなにかを解明していこうと思います

かつての自分のような生物受験者を助けたい!!という思いで書いていきます。


私立や国立の二次試験ってどんな問題が出る?

皆さんが目指していかないといけないのが、私立の試験、国立の二次試験です。もちろん、共通テストも高得点を目指していかなければなりません。

まずは、生物において今後の勉強に意味を持たせるには、最終的なゴールを把握する必要があると考えています。

二次試験の問題を見てもらうと分かると思うのですが、これから生物の勉強を始めていこうと思っている受験生にとって気持ち悪い問題が多すぎて見る気も失せてしまうかもしれません。実際、私も受験勉強を始めたて当初は何の問題が出されているのか分からなかったです。

ですが、受験が終わった今だから言えることがあります。


それは、どんな問題が出題されてそのレベルに到達するにはどう対策していけばいいのかを明確にしておく必要があるということです。


では、実際の試験ではどのような問題が出題されるのでしょうか?生物の国公立二次における出題内容は主に4つに大別することができます。自分の志望校では、この4つのうちどれの割合が多いのか、ぜひ確認してください。


用語問題

用語問題は、空欄補充問題1問1答のような形式で出題されます。

用語問題は、生物の重要な用語の中から出題されることが多いです。問題の立ち位置的には、必ず取らないといけない問題で、配点は少な目となっている場合が多く、ボーナス問題的な立ち位置です。他の受験生は必ず取ってくる問題なので、落としてしまうと差がついてしまいます。

用語問題は必ず取れるようにするための対策が必要です。

todai_2016_bio_3q_1.png

2016年東大生物

用語問題はこのように出題されます。

説明問題

この部分は、用語問題の先の部分にある問題だと考えてもらえれば良いと思います。形式としては、単純に単語の説明や、ある分野の関連した発展的な内容の考察の記述など色々な形があります。

説明問題は、用語問題がある程度できるようになっておかないとできるようにはならない問題です。まずは、用語問題を固めておくことで説明問題に準備するという流れです。

難易度は、簡単な問題から難しい問題まで同じような割合で出題されることが多いです。(もちろん、超難関大学となれば、割合はまちまちです。)

また、多くの大学でこの類の問題を多く出題しており、点数配分も大きいです。

なので、かなり対策する優先順位の高い問題です。また、説明問題は用語問題でどれだけ完成度高くやっていたかが出る問題とも言えるでしょう。


計算問題

生物の計算問題は、化学ほど多くはないものの一定の分野で計算問題が出題されます。

多くの大学で出題傾向が高いのが、遺伝の計算問題で、遺伝の計算問題はかなり頻出なことから

大森徹の生物遺伝問題の解法」という参考書もあったりかなり対策の必要な部分です。特に医療系に進む人であれば、生体の計算もよく出題される範囲となっていたり、農学部系であれば、環境分野の計算問題もあります。計算問題は大学の特徴が多く出る問題でもあるので、直近の二次の問題を数年分見て傾向をつかむのも大切です。

実験問題

実験問題は、共通テストでも良く出題される問題で、選択問題にもしやすいことから、私立の問題でもよく見られる形式です。この問題を解けるようにするためには、理系的な思考と文系的な読解力が必要とされます。実験問題は、初見の実験内容が多いため、文の量が多くなります。そのため、読解力が必要となるわけです。そこから、生物の知識と理系的な思考プロセスで実験結果を予想する問題や、途中で必要な操作を予想する問題があります。(実際自分はすごく苦手な問題でした。)


二次試験の生物では以上のような問題が出題されるわけです。では、これらの出題形式に対応するために、生物の勉強を効率的に進めていくためにはどのようなステップで進めていけばいいでしょうか?

生物の基礎の部分となるところを明確にしていきましょう!!


じゃあ生物の基礎ってなんのことを言うの?

一般的に基礎を固めろ!といわれることが多いですよね。生物における基礎って一体なんなのでしょうか?


自分としては、ある捉え方があります。

基礎はどこか、を明確にする思考プロセスを見ていきます。

まずは、上の項目のように自分の受験校の問題を分析します。

問題の要素を分解すると、多くの大学では用語問題→説明問題→計算問題→実験問題の順番で難しい順となっている考えられました。

よく考えると説明問題、計算問題、実験問題は、用語問題を解けるようになっているという状態に依存していることがわかります。

つまるところ、用語問題のようなべースとなる問題の類を基礎問題というわけで、そのベースにつながりを持たせたり、ベースの知識をもとに考察していくという問題は、発展問題だといえるでしょう。

その線引きが出来ていれば、かなり対策は楽になります。


そのため、多くの大学では基礎というのが、用語問題や生物で扱われる事象(光合成や遺伝など)の理解に帰着します。(単純な説明問題は、基礎に入ります)

だからこそ、学校の先生も基礎をしっかり!というフレーズをよく口ずさむ訳です。(でも、基礎がなぜ大切か語られることは少ない

本記事では、基礎問題を用語問題や生物で扱われる事象とみなして話を進めていきます。次の項目では、基礎の固め方をお話しします。


生物の基礎はどうやって固めればいい?

自分にとって基礎がどこか理解できたら、あとは基礎を固めるだけです。基礎が載っているのは教科書であったり、教科書のような参考書です。そこに書いてある事象をひたすら覚えていくのがいいと思います。しかし、ただ単に教科書暗記をするのはあまり効率的な方法ではなく、教科書は参照する立ち位置で使い、問題集もやっていきましょう。

基礎的な問題集としては、セミナー生物などがおすすめで(基本的に全部やるといいと思います)、問題を通して生物の用語が身につくのと、どういうところが受験で聞かれるのかが感覚的に理解できると思います。参考書を参照する過程で、生物の事象を流れで説明できるのが一番望まれますが、すごく優秀な人でないと覚えていられないでしょう。そこで、オススメの勉強法が絵にかいて覚えるやり方です。細かいところを書きながら自分で繰り返し再現できるような形で覚えておくといいでしょう。

セミナーや教科書の知識がだいたい頭に入ったら発展的な問題に移っていきます。


基礎が終わったらどのような対策をするべき?

それぞれの問題ごとで、対策はそれぞれです。基礎の知識を活用して知識の体系化が必要です。

発展的な内容にも、発展的な知識の使い方を学んでいく必要があります。

では、参考書と共に、解説していきます。


説明問題の勉強法

説明問題は「大森徹の生物 記述・論述問題の解法」という参考書で対策していくことをお勧めします。この参考書では、多くの大学で扱われる記述問題を集めてどういうところが採点の基準なのかという受験生の悩みを解決してくれる参考書です。私も実際にこの参考書をやったおかげで本番の問題では解いたことのある問題が多く出題されました。そのため、私自身はめちゃめちゃいい参考書だと感じています。

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実験考察問題の勉強法

実験考察問題を対策したいのであれば、「大森徹の生物実験・考察問題の解法」を買って対策しましょう。

実験で聞かれる要素を問題を通して分かりやすく説明してくれる参考書となっています。実験問題は生物特有の癖があります。なので、最初からバリバリできる人はあんまりいないです。なので、問題に多く触れて思考プロセスを頭にいれることが大切になってきます。

> 大森徹の生物 実験・考察問題の解法 - Amazon

計算問題の勉強法

計算問題の対策は、オプションだと考えてください。基本的な問題集には一定のレベルの計算問題は網羅されていますが、それでも足らない場合は、 「大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法」をやることをおすすめします。計算を網羅してできるという点がこの参考書の強みかもしれません。

ここまでやってこれば、過去問もかなり点数が取れる状態になっているはずです。

> 大森徹の生物 計算・グラフ問題の解法 - Amazon


過去問対策はいつから?

過去問を始める時期ですが、これらの参考書をやるのと並行して行っていければいいと考えています。

過去問は、今までの基礎を見直すきっかけにもなりますので、積極的に取り組んでいってください。


まとめ

今回は、生物の勉強で悩みがちな部分を網羅的に解説しました。他の教科でも同じですが、ゴールから逆算して考える事は大切です。生物においては、最終的に説明問題計算問題実験問題などの発展的な問題を解いていかなければなりません。そのためにも、基礎を身につけるのは大切だとお話ししました。基礎が身について発展があると言われるように、基礎はそれだけ生物を勉強するうえで大切な要素だと言えます。


もう一度まとめると、

① 過去問を分析する。

② どういう対策が必要か考える。

③ 基礎を固める。

④ 発展問題を解く。

の流れです。上手くこの流れに乗れるように軌道修正も行っていきながら、勉強を進めていきましょう。


生物受験者の大学での学びとは??

最後に小言ですが、生物受験者は生物関係の授業で物理選択者よりも有利な立ち位置で勉強することができます。

特に農学部ではその傾向が強いようです。農学部でも物理の授業はありますが、生物選択者スタンダードで進んでいけるので安心できる場合が多いです。笑


執筆:直生 東京農工大学農学部、イクスタコーチ卒業生

生物の勉強法について、こんな記事も書いています。生物受験者はぜひこちらもお読みください。

> 生物選択の壁を乗り越えろ!独学で東京農工大学に合格した私の生物の勉強法と参考書! - イクスタ


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