【化学】国公立・早慶以上の難関大を目指す化学のレベル別おすすめ参考書と分野別勉強法

大学受験化学のおすすめ参考書一覧

理系の大学受験生はほぼ必ず大学受験の使用科目になる化学。理系の受験生にとって数学の次に重要な科目です。今回は大学受験の化学について、分野別の勉強法おすすめ参考書を大学で工業化学を専攻し、受験以降も化学に深く触れている私がご紹介していきます。また理系に強い某大手予備校でも働いています。定番どころの化学の参考書は網羅してあるので化学を使う大学受験生の80%くらいはこの記事を読めば大丈夫です。独学の受験生は安心しています。

前半では化学の大まかな勉強スケジュールを、中盤で初心者・中堅私大・難関・最難関レベルのそれぞれに対応した参考書を、後半では化学のそれぞれの分野(理論・無機・有機)で成績を上げるために気をつけて欲しいポイントを紹介しています。

大学受験化学の勉強法に悩んでいる受験生のお役に立てたら幸いです。

難関大の化学に対応するために必須の考え方

化学って暗記科目だと思っていませんか?もちろん、ある程度のことは覚えなければいけませんが、全て暗記しようとすると膨大な量を暗記をしなければならないので、できるだけ理解することで対応したいです

でも、全てを理解しようとすると大学のレベルに入ってしまうほど難解な部分もあり、時間もかかってしまいます。

花火も化学の燃焼反応
花火も物質の燃焼反応をコントロールしています

難関大学の大学入試で合格点を取ろうとすると、理解と暗記の両方をバランスよくこなす必要があります。また化学を勉強し、難関大学で点数を取れる実力をつけるためには、以下の2つの考え方が重要になってきます。

①化学の現象をイメージすること

化学は自然現象をミクロな視点から体系的に解明していく科目です。そのために、紙の上だけで考えていると数字をいじっているだけになってしまい、間違えやすくなってしまいます。

一番良いのは実験をすることなのですが、実験ができる機会はそうありません。そこで、教科書や図表に掲載されている写真や絵からイメージを深めていきましょう。問題を解くときには、条件を整理するために図や表を使ったりすることでイメージが湧きやすくなります。

②論理的に理解すること

1行1行写していくのではなく、何でこうなるのかということを常に意識しながら読み進めていくことです。これを繰り返していくことで、新しい問題に出会った時にどうすればいいのかというのが分かってきます。

どうして?という疑問を大事にしてください。

難関大を目指して化学を勉強する際には以上2つの考え方をどの分野でも忘れずに頭の中にいれておいてください。

化学の実験風景 物質の反応を調べる

化学の勉強スケジュール

この記事を読んでくれている人にはもう高3生の人もいれば、まだ、高1,2生の人もいるかもしれません。
そんな皆さんに共通して抱く疑問があるでしょう。

『難関大学に合格するには化学をいつから始めればいいですか』

答えは、率直に言うと早いに越したことはありません。しかし、英語や数学の基礎がおろそかなまま化学を始めるのは危険です。それには2つ理由があります。

受験は英数の方が、配点高い場合が多い
数学の知識を物理や化学でも使ったりする

なので、英語や数学が苦手な場合は、数学に時間をかけることを優先してください。

高1,2生は高校の授業を聞くスタイルを身につけましょう。そこで理論を理解することが出来たら後々楽になるので。

『でも遅すぎてもヤバくないですか?』

ということで、高3生の人は目安として、5月ごろから始めるといいと思います。

詳細は受験カレンダーを参考にしてほしいのですが、目安までに進めるべき化学の勉強スケジュールは、

8月までに全分野のインプットを完了(基礎・土台の完成)
… 参考書で全分野を理解する。

11月ごろまでにアウトプット力の養成
…問題集で標準的な問題を自力で解けるようになる

12月~入試に向けた実戦演習
…重問や新演習・志望校の過去問などを用いて、自分の実力と志望校とのギャップを埋めていく

といった感じです。

『具体的にはどうやって化学の勉強を進めたらいいの?』

学校の授業をベースにしている人はそれに従ってください。
学校の授業では間に合わない!とか今まで全く授業聞いたことないといった人は、

理論化学→無機化学→有機化学

の順に勉強してください。一番効率的だと思います。

それでは具体的に各分野はどんな勉強法で対応していくのがベストなのでしょうか。化学には理論化学有機化学無機化学の分野があり、それぞれ注意すべきポイントや進める勉強法は異なります。

ページ下部で分野別に勉強法をご紹介していきます。下で紹介する勉強法をこなすことができれば、東大・東工大をはじめとする難関国公立にも対応できる十分な力が付きます。その前にまず、独学の受験生が使うべきおすすめの参考書をご紹介します。

化学のおすすめ参考書・問題集

①日常学習用(初めて習った分野を定着させる用)の参考書

大学受験で使う化学をほとんど勉強したことがない受験生が揃えるのにおすすめの参考書と問題集をご紹介します。学校や予備校で基礎を抑えることができている場合にはこのステップはスキップして「②私大中堅~MARCHクラスを狙う受験生のための参考書」以降から読み進めてください。

おすすめの参考書

チャート式新化学 化学基礎+化学

化学の参考書 新化学チャート式

> チャート式新化学 化学基礎+化学(Amazon)

チャート式は数学で使っている人も多いと思いますが、化学のチャート式は完全な参考書です。教科書の詳しいバージョンといった感じです。教科書だけだとよく分からない、もう少し知りたいといったときに使えると思います。

フルカラーなので、無機化学における図表としても用いることができます。MARCHレベルは十分に対応できます。

化学の新研究―理系大学受験

化学の参考書 化学の新研究

> 化学の新研究―理系大学受験(Amazon)

チャート式よりも深く難しいレベルまで解説しています。大学の内容に踏み込んで受験化学を解説しています。参考書として読み込むより、辞書として用いるのがいいかもしれないです。コラムなどは小論文のテーマとしても使えます。化学好きの人は読みすぎて時間が経つのを忘れてしまうのに注意!

おすすめの問題集

・リードα、セミナーといった高校で配布される教科書傍用問題集

化学の参考書 リードα

化学の参考書 セミナー化学

知識を定着させるには一番の問題集です。問題数が多いので、時間がない人は苦手な分野を攻略するのに使ってください!

これでも難しいという人は…

らくらくマスター化学基礎・化学

らくらくマスター化学・化学基礎

> らくらくマスター化学基礎・化学(Amazon)

この本は用語の確認から単純な計算練習を通じて、化学の力をつけていくことができます。

②私大中堅~MARCHクラスを狙う受験生のための参考書

おすすめの参考書

橋爪のゼロから劇的!にわかる 理論化学の授業

理論化学の参考書 橋爪さん

> 橋爪のゼロから劇的!にわかる 無機・有機化学の授業(Amazon)

から始めてみてください!これらの参考書は概念から理解しやすいように書かれている参考書なので、手をつけやすいと思います!

おすすめの問題集

らくらくマスター化学基礎・化学

らくらくマスター化学・化学基礎

> らくらくマスター化学基礎・化学(Amazon)

化学が苦手な人はこの本から始めてください!!
問題数もそこまで多くないので、1か月程度で1周できるのではないかと思います。

化学の新標準演習

化学の参考書 新標準演習

化学の新標準演習(Amazon)

この参考書は僕がよく使っていた本です。この本の特徴は何といってもその解説の充実さ!問題自体は、リードαやセミナーとあまり変わらないですが、解説はその問題の詳しい解説はもちろん、背景知識や一緒に知っておいた方がいいことなどすべてまとまっています。

この参考書を使うだけでもセンター試験はもちろん、MARCHレベルまで十分に対応できます。

化学(化学基礎・化学)基礎問題精講

化学 基礎問題精講

> 化学(化学基礎・化学)基礎問題精講(Amazon)

問題掲載数はそこまで多くはないですが、入試で頻出の重要問題を網羅的にまとめてあります。また、こちらも解説が充実しているので、疑問点をスッと解決してくれます。

③難関私立・難関国公立を狙う受験生のための参考書

東京理科大学や上智大学、東大京大東工大を除く国公立大学で合格点を取るために使って欲しい参考書を問題集です。

おすすめの参考書

このレベルのおすすめの参考書は大学受験Doの講義シリーズです。理論化学・無機化学・有機化学どれもおすすめです。

鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)

化学の参考書 鎌田の理論化学の講義

> 鎌田の理論化学の講義(大学受験Doシリーズ)(Amazon)

 

福間の無機化学の講義(大学受験Doシリーズ)

化学の参考書 福間の無機化学

> 福間の無機化学の講義(大学受験Doシリーズ)(Amazon)

 

鎌田の有機化学の講義(大学受験Doシリーズ)

化学の参考書 鎌田の有機化学

> 鎌田の有機化学の講義(大学受験Doシリーズ)(Amazon)

原理というよりも例題を通じて理解をしていくタイプの参考書です。教科書レベルの知識は理解していることが前提です。

Doシリーズの3冊は予備校で教えている先生が執筆した本なので、出題されやすいポイントを分かりやすく解説してくれています。

この3冊がしっかり理解できれば、東大・東工大・早慶をはじめとする難関大学にも対応できます

おすすめ問題集

2016 実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学

化学の参考書 重要問題集

> 2016 実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学(Amazon)

受験生がよく使っているあの"重問"です。この1冊を自力で解けるようになれば、基本的にどの大学でも通用します。

化学[化学基礎・化学] 標準問題精講

化学 標準問題精講

> 化学[化学基礎・化学] 標準問題精講(Amazon)

基礎問題精講のレベルアップバージョンです。このレベルの問題が解けるようになったら、東大・東工大・早慶も問題も対応できる力が付きます。解けない問題に関しても解説が充実しているので、理解できるようになります。

化学の新演習

化学の参考書 化学の新演習

> 理系大学受験 化学の新演習―化学基礎収録(Amazon)

最難関の化学問題集。重問ですでに十分なので、入試とは関係なく問題を解きたい、自分の化学の力を試してみたい、化学で点取れないとヤバい!みたいな人は使ってみてほしい参考書です!

④東大・東工大・早慶を狙う受験生のための参考書

これらの大学はこれまでに紹介した参考書・問題集で十分に分かるようにはなっていますが、完答するためには個別に過去問の対策をする必要があります!また、これらの大学は習っていない公式や法則を問題文中で紹介して、自力で運用できるかどうかを問う問題も多く出題されます。これらも過去問演習を積んで、思考力を鍛えましょう。

東大化学を攻略するためには以下のポイントが重要です。
・レポート用紙のような解答用紙にどのように記述をしていくか。何を書いて何を書かないのか。
・2科目合わせて150分で、化学だけでも問題量が多いので時間配分が重要


東大の化学25カ年

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東工大は化学を攻略するためには以下のポイントが重要です。
・選択肢の問題が相当細かいところまで問われている
・計算問題は最終的な答えしか見てくれないので、化学の知識だけでなく、ケアレスミスも致命的


東工大の化学15カ年

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理論化学分野の勉強法

ここからは化学の各分野の勉強法をご紹介していきます。英語や地歴や公民とは違い、分野ごとに勉強のポイントが異なります。化学は暗記もできますが、本質的な理解をすることが難関大学合格には欠かせません。ページの上部でご紹介した2つのポイントを意識しながら勉強してください。

理論化学分野は概念理解

理論化学分野は“理解”を中心に勉強を進める部分がほとんどです。理論の概念を理解できなければ最終的に入試レベルに対応することができません。高校の授業や教科書、参考書を使って自分で納得がいくところまで理解をしていきましょう。

理論化学の勉強法

まず、参考書を読みます。現象がどのような理論で起こっているのかを理解してみてください。もちろん、必要な用語や現象も一緒に理解することが必要です。

次に簡単な例題を解いてみてください。図や式の使い方、理論がどのように問われるのかを簡単な問題演習を通じて理解してください。

ある程度の理解ができたなと思ったら、今度はアウトプットの練習です。学校で配られた問題集(リードαやセミナーなど)で問題を解きながら基本事項が身に付いているかを確認しましょう。分からなかったら解説を読んで、知らなかったことを吸収していく、その繰り返しです。

化学のリードα

セミナー化学

現象を支配している概念は(大学入試の範囲では)そこまで多くはありません。まずは、一通り参考書を読んでみて、分からないところは戻ってくる、といった方が時間的に効率が良いです。

頻出の分野を繰りかえし演習する

特に化学の入試問題において頻出テーマである結晶構造気体計算反応速度平衡計算pH電池・電気分解の典型問題についてはスラスラと手が動くようになるくらいにまで演習を繰り返し積んでいきましょう

本番では電卓は使えないので、気体計算や平衡計算では、自力で計算して最終的な答えにたどり着ける力も重要です。東大や東工大など最難関の化学で合格的を取るためには特にこの考え方を重視してください。

問題演習の進み方に関しては、この記事の後の方で触れているので、一緒に読んでみてください。

1つアドバイスを送ります。理論化学の問題はmolを中心に考えましょう。気体であったら、圧力や体積はmolと相関関係にありますし、電気化学もmolを中心に考えることで、ファラデー定数を介して様々な値が出てきます。

無機化学分野の勉強法

無機化学は周期表上の全ての元素を対象とする学問です。そう言われると膨大な量が必要な気がしますが、受験化学で扱うのは典型元素の性質と反応と遷移金属の性質です。

無機化学の勉強法

この2つ、どこをポイントとして勉強していけばいいか紹介していきます。

まず、”典型元素”、”遷移金属”と聞いてピンとこない人は周期表のおさらいから。これまで、”すいへーりーべーぼくのふね”とかで元素番号1~20くらいまでの元素は覚えたと思いますが、今度は周期表を縦にみてアルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)、ハロゲン(17族)、希ガス(18族)にどんな元素があるかを覚えます。

語呂合わせを使うと覚えやすいですね。

例)15族 N P As Sb Bi  → ニッポンアスサービスビ (日本明日サービス日)
16族 O S Se Te Po  → オサナイセンセイテレテポッ (幼い先生照れてポッ)

語呂合わせは「周期表 語呂合わせ」とかで検索すればインターネット上に覚え方が載っているので自分が覚えやすいもので覚えましょう。マニアックなネタもたくさんあるので、楽しんでみてもいいかもしれません。
ちなみに上の二つは私が某有名予備校の先生から教わったものです。

反応式の覚え方

次に反応式です。無機化学に出てくる式をすべて覚えようとするとたくさんあり、覚えきれないです。出てきた式をパターンに分けて覚える式を絞っていきましょう

A 酸塩基反応
B 酸化還元反応
C 沈殿生成反応
D 錯イオン生成反応
E その他

A,Bは覚えなくても自分で書けるはずです。またパッと出てこない場合には自分で覚えられるくらいまで反復しましょう。

Cについては、まず沈殿ができるイオンの組み合わせを覚えましょう。組み合わせが分かれば式も書けるはずです。

Dも同様です。ここでも語呂合わせが使えます。 例えば、硫酸イオンで沈殿する陽イオンは
硫酸ばかにするな (Ba, Ca, Sr, Pb)
アンモニア水で錯イオンを形成するイオンは、
あんまりだ、ドアに銀、ニコッ(Cu, Zn, Ag, Ni, Co)
などです。これも予備校通っていた時に教えてもらったものです。このとき、白色以外の沈殿や有色の錯イオンの色は覚えておきましょう!

上に書いたように色の話は語呂合わせである程度は対応できますが、一度図表などで実際にその色を確認しておくことをおすすめします。

色は選択肢で問われます。その中で淡黄色、黄褐色、緑白色など、言葉だけだと色が想像しにくいものも一度色を見ておくと迷わずに自信を持って選択肢を選ぶことができるためです。

つまり、まるまる覚えないといけない式はEに該当する分解反応などだけです。この分野は全体の1割程度だけなので、ここだけは頑張って単純暗記してください。気体の発生法もこれでだいぶカバーできます。ほとんど酸塩基か酸化還元です。

インプットの後のアウトプット

ここまで暗記する必要を指摘しましたが、全部完璧に覚えてから先に進むのは時間の無駄です。ある程度覚えたら問題演習(アウトプット)を始めましょう

初めのうちはそれぞれの暗記事項を覚えるのは大変かもしれませんが、それぞれの分野を進めていくと使う知識はだいたい同じであることに気づいてくると思います。

ここで紹介したことを覚え演習することで、はじめに書いたことの7~8割カバーできています。あとは工業的製法にかかわるテーマがいくつかありますが、こちらは問題演習しながら覚えていけばOKです。

無機化学で一番大事なのはやみくもに覚えないことです。自分の中で整理しながら覚えていかないと各要素が複雑になってきます。それを防ぐためにも早めから問題演習を始めましょう。どうしても覚えられない部分が浮き彫りになってくるはずです。演習して自分の苦手分野を明らかにしてそれぞれ対応していく、という順番が効率アップに不可欠です。

有機化学分野の勉強法

有機化学の分野を暗記だけで乗り越えようとしている人に警告です!有機化学は暗記だけで勉強を進めようとすると効率も悪くなり、間違えやすく嫌いになっていきます

有機化学分野の勉強法

有機化学は大きく分けて3つに分類することができます。脂肪族芳香族天然物高分子・合成高分子です。

それぞれの事項で暗記すべきことは以下の通りです。

◯ 芳香族
芳香族化合物の名称・構造式・ベンゼンからの精製法

◯ 天然物高分子
グリシンの構造式
他のアミノ酸の名称とその側鎖の構造
単糖の構造(α―グルコースを基準に)、二糖の成分

◯ 合成高分子
ポリエチレンテレフタラート、6,6-ナイロン、6-ナイロンの構造式とその原料物質

あとは体系的に学習していった方が効率が良いです。

脂肪族化合物の勉強法

ここからは有機化学での重要な脂肪族化合物を勉強法をご紹介します。

はじめのうちは名前の付け方の理解と書き出しを!

有機化学を初めて学習すると見慣れないカタカナがたくさん出てきて困惑すると思います。シクロプロパンとかニトロベンゼンとかガラクトースとかアスコルビン酸とか…。

まずはよく出てくる化学物質の名前、構造は覚えなければなりません。

脂肪族の化学構造表

上の表に炭素数が1-12のアルカン(単結合)、アルケン(二重結合を持つ)、アルキン(三重結合を持つ)、アルコール、アルデヒド、カルボン酸の名称一覧を示しました。

これらは命名法の基本となる基本骨格の名前なので、色を付けた部分と炭素数3のケトンであるアセトンの構造についてはよく出てくるので最低でも覚えましょう。

こんなに覚えられないよ…という人でも、横に表を見ると変わっているのは語尾だけということに気づいてしまえばそこまで苦ではなくなるはずです。

異性体の書き出しとその命名

C5H12Oで表される異性体を書き出し命名せよ。

これはアルコールかエーテルですね。まず骨格となる部分を全て書き出してみましょう。このとき、やみくもに書き始めると重複があったり、数え漏れが出てくる恐れがあります。

異性体の化学構造式

この時意識するのは主鎖(最も長い鎖)が長いものから順番に書き始めることです。初めのうちは、重複はないと思いますが、慣れないうちは主鎖が短くなってきたときにもっと長い鎖が出来ていないかどうかを確認しましょう。

上の3つで全てです。これ以上書いた人は良く確認してください、きっとどれかと重複しています。

次にアルコールのOH基が入る可能性があるところをチェックしていきます。この時も重複がないように気を付けましょう。

異性体の化学構造式

この場合は上の8個です。例えば、①番と④番は下の写真のようになります。(Hは省略してありますが、答案でHを書かないと×になるので書き忘れないこと!!)

異性体の化学構造式

最後にエーテルです。エーテルの-O-が入れる場所は上の6個です。

化学構造式 エーテル

エーテルの命名は具体的には大学で習ってください。おそらく入試では出題されません。

ちなみに④番だったらエチルイソプロピルエーテルとなります。

ここで楽をしようとすると決して有機化学ができるようにはなりません。手を動かしてください!

脂肪族化合物の反応

これが終わると次は各官能基の反応になります。「どの部分が」「どのように反応して」「どんな化合物を生成するのか」を見るのが有機化学のメインになります。

しかし、大学入試では「どのように反応して」の部分は見ないので、そこの部分を自分でイメージしながら補っていくと理解しやすいです。例えば、

・アルコールを穏やかな条件で酸化するとアルデヒドになり、さらに参加するとカルボン酸になる。

・カルボン酸とアルコールを反応させると脱水し、エステルが生成する。

こんな風に言葉だけで覚えているとイメージがわかず、ごちゃごちゃになります。名前と構造を早めに対応させて、実際に書いてみた方がイメージもしやすく、頭に残ります。

化学構造式

芳香物化合物の勉強法

次に芳香族です。芳香族とはベンゼン環をもつ化合物のことを指します。芳香族でも主要な反応は脂肪族と同じなのですが、芳香族特有の反応も数多くあります。

まずは脂肪族と同じように名称と構造から覚えていくのですが、これはベンゼン環を中心にどのように反応させると何が生成するというマップを埋めることで覚えていきましょう!(下の図のようなものです)

ベンゼン環の反応式

ベンゼン環の反応式 白まぷ

1031のだらだら日記より引用)

※上記画像の右上、アセトアニリドは塩化ベンゼンジアゾニウムの間違いとなっています。ご注意ください。

このマップが埋まるようになれば芳香族に関しては怖いものなしと言い切っていいでしょう!

ただこのマップを覚えるのは楽ではありません。ここでも、何の試薬を反応に使ってどういう生成物が得られているかをみると覚えやすいです。言ってしまえば、反応物と生成物でどのような差があって、その差が何を反応させたから生じたのかということが分かればいいのです。

このマップがどれだけ頭に入っているかどうかで、あなたの有機化学の点数は大きく変わってくるといっても過言ではありません。

ちょっと大変ですがここまでは暗記が多いですが頑張っていきましょう。

構造決定の勉強法

難関大学の有機化学で一番よく出題されるのが、この構造決定問題です。構造決定はずばり、問題を解きまくってください!

解きまくることで何に注目して解くのか見えてきます。

具体的な流れとして

①分子式を出して不飽和度を求める。
②不飽和度から二重結合や環構造がどれだけあるか推定する(4以上の場合はベンゼンを含む可能性大!)
③ところどころ決まった構造を書き出す(エステル結合をもつとか、カルボニル基をもつとか)
④後ろの方、ヒントが多いもの決めていく!(Aを分解させてBとCを得た。Bに~~~したらDとEが得られた。とかならD,Eから決めていく。)
⑤困ったら炭素の数チェック!&③で決めた部分構造を当てはめる

こんなところでしょうか。構造決定問題は数多く解いた人ほど、点が取りやすくなってきます。手を動かすことを面倒くさがらずに解いていきましょう!

有機化学は量が多く、手を動かすことが多いので、面倒だと思いますが、勉強した分だけ実力になりやすい分野です。また無機化学と違い、一度覚えたらあまりごちゃごちゃにはならない分野だと思うので、はっきりとした得点源が欲しい人は有機化学で得点をしていきましょう!

構造決定問題の演習を重ねる

どの科目にも言えることかもしれませんが、有機化学では本を目で追うだけではなく実際に書き出していかないと覚えられません。難関大学で出題されるのはたいてい構造決定問題です。

構造決定問題は今までに自分がどれだけやってきたかが勝負になってきます。1題でも多く手を動かして、さまざまな出題形式、化合物で対応できるようにしましょう。

高分子化合物の勉強法

最後に高分子化合物です。高分子化合物はどうしても後回しになってしまいがちです

不安も多いと思いますが、心配はありません。なぜなら、上で書いたことが全てだから。

◯ 天然物高分子
グリシンの構造式
他のアミノ酸の名称とその側鎖の構造
単糖の構造(α―グルコースを基準に)、二糖の成分

◯ 合成高分子
ポリエチレンテレフタラート、6,6-ナイロン、6-ナイロンの構造式とその原料物質

これを覚えて、今までに習得した有機化学、理論化学の知識を使えばきっとできるはずです。がんばりましょう!

化学はどの分野も問題演習が重要

学校の定期試験はある程度できるのに、模試になると化学の点数が下がってしまう…。こんな悩みを抱えている人は少なくないはずです。そんな受験生は化学あるあるです。この悩みを解決していきます。

こんな悩みを持っている人の多くは

教科書や問題集の例題を丸暗記して試験に臨んでいる

でしょう。あなたも丸暗記していませんか?化学は自然現象を相手にしている学問なので暗記して簡単に太刀打ちできる科目ではありません。難関国公立・早慶志望となればなおさら暗記だけでの対応は困難を極めます。

では、どうすればいいのでしょうか…?

この記事の最初に言ったことを思い出してみてください。化学の演習をする際には以下の4つのポイントが重要です。

化学現象のイメージをつかむ

暗記は避けたいと言えど、いきなり問題演習はできません。化学は自然現象を扱っています。まずは問題演習をする前に大ざっぱでいいので何をすると、どういうことが起こって、何が起こるのか、という一連の流れを、上記で紹介した参考書である程度理解しておきましょう。

化学現象の流れをイメージできないとただの暗記になってしまいます。それに何も分からない状態で問題を解くよりもある程度インプットで知識を入れてから問題演習で足りない知識を入れていく方が効率もいいです。

問題設定から図を描く

問題集などで演習をする際にはまずは問題文から読み取れることを整理していきましょう。おすすめは、図や表といった視覚的に訴えかけてくるものです。

酸化還元滴定や気体計算など問題文が長くなりやすい単元は自分で書いた図にどんどん情報を書き込んでいきましょう。難関大学では計算させる問題が多いです。与えられているもの、求めたいものがしっかり図の中で理解できれば、求めるために必要なものが自ずと分かってくるはずです。

必要な図は問題によって変わってきます。とはいっても分野ごとで使う図はおおよそ似てくるので、参考書や問題集の解説を使って自分で図を描く練習をしてみてください。

分かるまでじっくり考える

重要問題集や新演習など難しい問題集を使っていると、当然自力で分かる限界がやってきます。分からない問題がある際には当然解説を読みますよね。

それで構わないのですが、解説を読んでいても分からないと思ったところが出てきたとき、その問題はじっくり考えて自分の中で解決させましょう。まずどこまで分かっていたのかを明確にしたあと、分からなくなったところを浮き彫りにします。

その分からなくなった部分を参考書や先生に聞いたりして解決させましょう。イクスタで質問してくれても構いません。ここで「これはそういうもんなんだ」と暗記してしまうと他の問題で使えなくなってしまうので、本質的な構造を理解できるまで頑張ってください。

実際に手を動かして何を書いてみる

見たことあるのに解けない…。そんな人は見るだけの勉強をしていませんか?先生が解いている式や解説を読むだけ…。読むだけの勉強をやっている限り、いくら理解をしても自分で解けるようにはなりません。私も読むだけ勉強している部分は点数が取れなかったです。それに気付いたあとに本質的な理解の重要性に気付きました。

重要なのはとにかく自分で初めから最後まで計算することです。また自分で考えられる構造を書き出してください。

はじめのうちは面倒くさいと思いますが、こうした面倒な一つ一つの作業があなたの化学の点数を確実に引き上げることになります。

理解と暗記をある程度充実させたら、(それぞれの参考書の内容の8割をマスターしている程度)どの分野も最終的には問題演習量の多さがカギを握ってきます。良質な問題を解いてきた量が自信となり、自分の武器となります。

高3の春から化学を勉強する人は、インプットに集中し(リードα、セミナーなどで確認しつつ)、11~12月ごろからセンター対策をしつつ、大学入試レベルのアウトプット問題に移行していきましょう。

センター化学で8割取るための勉強法

ここからはセンター試験で8割を取ることに着目した勉強法をご紹介します。

センターで出題される化学の問題の特徴として、

・用語の定義や物質の性質が細かいレベルで問われる

・計算問題も数学と異なり与えられた選択肢の中から答えを選ぶ。

以上2つが挙げられます。このことから

・用語の定義や物質の性質を正確に理解していなければならない

・選択肢に振り回されない正確な計算力を持っていなければならない

ということがわかります。要するにあいまいな知識・計算力では8割は難しいということです。

じゃあ、どうすればいいの?ということですが、これもある程度は過去問、予想問題で身に付きます。でもただ問題を解くだけでは不十分です。

8割を得点するにはセンター化学ノートを1冊作成し、間違えた問題と正解選択肢をノートにまとめましょう。間違い選択肢を訂正したものも加えれば知識はさらに増えます。

計算問題に関しては解説を読んでなぜ間違えたか、どこから間違えたかをしっかり分析し、簡単でいいのでノートに残しておきましょう

単純な計算ミスでなければさらに類題演習を積むことで定着します。これを繰り返せばセンター化学で8割を超えることができます。

センター化学で8割を超えるためには裏技などはありません。この記事でご説明してきたような勉強法を着実に進めることが一番の近道なのです

最後に-化学を使う受験生へ

どの参考書に関してもはじめのうちは出来なくて当然です。だからといってやみくもに暗記に走り出してしまった時点で、旧帝大や早慶を目指す道から遠回りになっています。

時間はかかるかもしれませんが、どうして?を大事にしながら1歩ずつ前進していきましょう。その方が後からぐっと追い上げることが可能です。まさに急がば回れ。理論を理解していくことに重点を置いて勉強してほしいです。化学の成績を上げたくて困っている理系志望の受験生を応援しています!

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こんにちは!Hiroshiです。大学では工業化学を学び某大手予備校でスタッフをしています。 理系の大半が選択する”化学”で8割を超えることが目標の受験生に向けて勉強法・対策法をご紹介しま...
イクスタ編集部     115 役に立った 
     記事更新日 2020.1.8
有機化学は暗記じゃない!化学を安定した得点源にするための勉強法
有機化学は暗記じゃない!化学を安定した得点源にするための勉強法
有機化学って丸暗記でイケるから直前に詰め込めば大丈夫っしょ!と思っている人へ。残念...
有機化学って丸暗記でイケるから直前に詰め込めば大丈夫っしょ!と思っている人へ。残念ながらそんなに甘くはありません。有機化学こそ積み重ねがしっかり着てくるので、特に難関大学を目指している人はしっ...
Hiroshi     137 役に立った 
     記事更新日 2020.1.8