元不登校の浪人生が10ヶ月で同志社大学に合格した英語勉強法を伝えたい!
みなさん、こんにちは。九州の某県にて学習塾を経営している塾長です。
大きな塾ではありませんが、個人で楽しみながら塾を経営してから20年になります。出身大学は慶應義塾大学商学部です。
私の塾はとても田舎に立地しています。都会ほどではないですが大手の塾様も多数ありますし集団塾、個別指導塾も乱立しています。そんな中、高校不登校から退学…なんていう生徒も増加の一途をたどっています。
今回はその中の一人、Y君の合格体験を元に、同志社に合格するための英語勉強法をご紹介します。
不登校→退学→引きこもり…の生徒が同志社大学に合格したわけ
Y君は一応県立高校最上位の高校に合格したものの部活でのいじめにあい、高校2年生の途中で高校を中退して引きこもり生活を約1年間送っていました。彼がどんな勉強をして1年間で同志社大学経済学部に合格したのか振り返り、英語の勉強法をご紹介していきます。参考書や教材の選び方など、英語の勉強で迷っているところがあればぜひ参考にしていただければと思います。
浪人の最初、4月時点での成績
Y君は高校に通っていないうえにその後の引きこもり生活が長かったので英語は壊滅状態でした。外部模擬試験などを受けた経験もなく高校自体の成績自体は残っていません。私のところにきた段階での入塾の際に実施した高校入試の過去問テストで英語は8割程度の点数でした。当時は中学生レベルの英語がやっとできる学力だったと思っていただければいいかと思います。
ではそんなY君がどのようにして約10ヶ月で中学生レベルの英語学力から関関同立でも最難関の同志社大学へ合格できるレベルの学力を身につけていったのかをご紹介します。
中学レベルから10ヶ月で関関同立に合格した英語の勉強法
英単語の参考書と勉強法
まず一番最初に始めたのが、「百式英単語」。
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まずは「百式英単語」を覚えてもらいました。発音がカタカナ表現されていて中学レベルのY君でも分かりやすいため、この単語帳を選択しました。アクセントを置く場所のカタカナが大きく書いてあってわかりやすいのです。
高校生時代に勉強の経験や習慣がなかったY君が独学で進めていく上で英単語の読み方がわからないようでは頓挫してしまうと思ったので、ここから始めてもらうことにしました。
この単語帳は入試基礎編→共通テスト完成編→2次私大完成編→最難関レベル編とレベルが上がっていくのですが、この本の性質上、ゆっくり一つ一つを覚えていくわけではありません。「とにかく覚えよう」とはせず、毎日繰り返し読んでいくというスタイルが本人に合っていたようでどんどん進めてくれていました。
どんどん進めていくので、長文を読んだ際に「あ!これ百式で見たことある!」という機会が増えていくのが楽しかったと言っていました。この単語帳は入試の前日まで使い続けました。
英文法の参考書と勉強法
次に英文法です。ここでは2冊の参考書をベースに勉強を進めていきました。
1.「全解説 入試頻出英語標準問題1100」桐原書店
全解説 入試頻出 英語標準問題1100 - Amazon
大学受験英語の基礎である文法にはとにかく時間をかけるべきなので、多くの受験生が使っている王道参考書の「入試頻出英語標準問題1100」をメインで活用しました。この参考書は解説が少々難しく、いきなり取り組むには難易度が高めでした。
ですので補助教材として、次に紹介する研究社の「超英文法マニュアル1・2」を活用して「入試頻出英語標準問題1100」で新しい単元に入る前に通読をしてから「入試頻出英語標準問題1100」の問題に取り組むという形で進めていきました。
2.「超英文法マニュアル」研究社;かんべやすひろ著
超英文法マニュアル―今までにない感動をあなたに - Amazon
補助教材を活用して基礎的な理解を進めつつ「入試頻出英語標準問題1100」を徹底的に繰り返し解いていきました。正答の番号を覚えても仕方ないので、誤った選択肢の方に意識を集中して、どうして間違いなのかまでを解説できるくらいまで徹底的にやり込みました。勉強は5月のゴールデンウィークから始めて、最終的には10月くらいまで徹底的に繰り返してもらいました。
長文読解の参考書と勉強法
次に長文読解です。Y君は長文読解に苦手意識を持っていました。特に速読できないことが障壁だったのですが、まずは焦らず精読することを意識した勉強法からスタートしました。
「ビジュアル英文解釈」駿台文庫;伊藤和夫著
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この参考書は英語に対しての固定概念を壊すのに有効です。英語というのは実はとてもシステマティックで、がっつり文法を意識して詳しく精読する時期が必要、ということを伝えたいときに使用します。ちなみにこの参考書の解説の日本語訳には意訳が混ざっており理解するのに少し苦戦するかもしれません。これは同じく有名な教材である英文解釈の技術シリーズでも同じですね。
長文読解については、細かい和訳が合っているかどうかにこだわるのではなく、大まかにそういう風に訳すんだという感覚を掴む目的で勉強を進めるといいと思います。文法事項を意識し確認しながら読み進めることを大切にしました。
長文演習(ロジカルリーディング)の参考書と勉強法
長文読解の基礎が固まったところで演習に入ってもらいました。長文読解は本当に色々な進め方があるのですが、まずは簡単なレベルの演習から開始しました。
① レベル別英語長文問題ソリューション1,2
レベル別英語長文問題ソリューション1 スタンダードレベル - Amazon
まずは長文に慣れるために基礎レベルのY君でもすらすら読めるレベルの参考書から進めていきました。夏休みの途中、8月初旬くらいからこの参考書を開始しました。この時点で注意して欲しいのは、文法がある程度完成していることです。文法の基礎が終わっていれば簡単な長文ならすらすら読むことができるので小さな成功体験を積みやすいです。これで「英語ができる」感覚を得ることができるので最終的な学力向上に繋がりやすいです。
Y君は文法の基礎が終わっていたので、長文がすらすら読めると感動していました。この長文の参考書は特にスラッシュリーディングしやすいようにスラッシュを入れた解説が掲載されているのと、リスニング用CDが付いているので本当に痒いところに手が届く良書です。
長文読解の参考書で迷っていたらぜひ手にとってみてください。
②『大矢 英語読み方講義の実況中継』
大矢英語読み方講義の実況中継 - Amazon
問題の難易度が上がるとだんだん読めない文章に当たることが増えてきます。そこで基本に立ち返るためにも一度本書を読むことをおすすめします。2、3回読んでサクッと気持ちを切り替えてほしいと思います。
③ 『横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本』
横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本 - Amazon
英語長文読解法の参考書は本当にたくさん出ていますよね。この参考書はあまり使う受験生が多くなく、聞き馴染みのない参考書かもしれません。アメリカの大学で盛んな「ディベート」の考え方に立った独特の参考書です。好みが分かれるかも知れませんが、Y君が非常に興味を持ってくれたため読んでもらいました。
パラグラフの中にある「論証責任」を果たす行為という部分が理解できると、論説文の文章がどういう構造になっているかを把握できて、なんとなくでは対応できない論説文に対応しやすくなります。また、長文読解と並行して文法の解説もあるのですがこちらも秀逸です。
英文法の基礎があまり定着していない受験生がこの参考書を進めようとするとかなりの忍耐力が必要かもしれませんが、関関同立を受験したいという受験生には本当に役に立つ参考書だと思います。
④『佐藤ヒロシの英語長文マーク式が面白いほど解けるスペシャルレクチャー』
英語長文[マーク式]が面白いほどとけるスペシャルレクチャー - Amazon
最後に紹介するのがこの1冊。ロジカルリーディングを学習した段階で、基本的な考えを習得したということで過去問演習に入りました。
そこでロジカルリーディングのブラッシュアップに「佐藤ヒロシの英語長文マーク式が面白いほど解けるスペシャルレクチャー」を読んでもらいました。内容がかなりわかりやすくロジカルリーディングの解法が深まるので、上記の『大学入試 横山雅彦の英語長文がロジカルに読める本』と合わせて学習することをおすすめします。
こうして英語の基礎から演習まで体系化して学習することで、中学校レベルだったY君の英語はたった10ヶ月あまりで同志社大学に合格するレベルまで達することができました。あまり普段馴染みのない参考書もあったかと思いますが、ぜひ参考にしてみてください!
イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。
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