英頻1000で最難関の英文法を鍛える レベルと使い方、問題数は?

英文法の難関参考書として有名な英頻1000について、早稲田大学教育学部出身、イクスタコーチの土井万智(どいまさと)がご紹介していきます。

早慶や旧帝大志望の受験生なら英頻の名を一度は聞いたことがあるかもしれません

英文法の問題集として最も難しいレベルと言ってもいいでしょう。早慶や旧帝大志望の受験生におすすめのこの参考書について詳しくご紹介していきますよ!


英頻は英文法の最難関?日本の大学入試の最難関レベルの受験生

英頻は、大学受験向けの英文法の参考書の中でも最も難しいレベルの参考書です。早稲田や慶應、上智大学やMARCHの難関学部では非常に読みにくい英文が出題されます。そうした入試問題に対応するための知識を身に着けるために役に立つ参考書です。

難しいながらもその解説の充実度で早慶など最難関大学を目指す受験生には名前が知られた参考書ですね。私土井も受験生時代に実際にメインの参考書として使っていました。

今でもこの参考書を見ると、難しすぎて落ち込んでいた当時の記憶が思い出されます

ターゲットは早慶志望

この英頻を最もおすすめするのは早慶の英語で合格点を取りたい受験生です。早慶は日本の大学受験で最も読解が難しい英文が出題されます。そうした英文を読み解き、設問に正解するための知識を固める参考書です。

一方、東大や京大など旧帝大志望の受験生にもおすすめできる参考書です。ただ国公立大学の場合、共通テスト+二次の合計得点で合否が決まるため、全教科における英文法の重要度は私立よりも低いため、この英頻をおすすめするかどうかは他の科目の状況にもよりけりです。この英頻に取り組めるに越したことはないのですが、場合によっては英文法は英頻には入らずに、英作文や他の教科に時間をかけることをおすすめするでしょう。

MARCHでも英語を得点源にするために

MARCHの最難関学部志望にもおすすめの参考書です。例えば中央大学法学部は非常に難易度の高い英文が出題されるため、英頻で文法・語法の知識を固めたいです。

また青山学院大学国際政治経済学部など、国際系の学部では個別試験では英語で差がつくように設計されていることが多いので、こうした国際系の学部で英語を得点源にしたい場合にもおすすめなのが英頻です。

基礎〜標準レベルの英文法を固めてからこの英頻へ

英頻は最難関レベルの英文法の参考書なので、英文法の基礎〜標準レベルまでは固めてから入るべきレベルです。

イクスタでは文法四天王と呼んでいるVintageネクステスクランブルUPGRADEは完璧に近いレベルで理解してから英頻を始めてくださいね。この標準レベルを飛ばしてから英頻に進むのはおすすめしないです。

今の自分の英文法レベルがわからなければ

今の自分の英文法がどれくらいのレベルにあるか分からない場合、センター試験の過去問の英語筆記、大問2のA問題10題を3年分解いてみましょう。このA問題には大学受験で求められる英文法・語法・熟語の知識が満遍なく出題されています。30問解いてみて24問以上正解できるようであれば基礎〜標準レベルは良い感じで固まってきていると考えていいでしょう。30問中20問程度であれば悪くはないですが、もう少し基礎〜標準レベルを進めたいです。20問以下しか正解できないようであれば、基礎〜標準レベルは最低でもあと1ヶ月程度は繰り返して完璧にするよう計画を立ててください。

センター試験の過去問は東進ハイスクールの公式HPをご参考に★

英頻の特徴と使い方

英文法語法の重要知識を問われる問題が1066問にわたって出題されており、それぞれの問題について丁寧か解説が加えられています。

第1~5章に分かれて、動詞や形容詞など重要な英文法・語法問題が出題されています。4択式の問題が1066題Extra編201題(誤文訂正と整序英作文)で重要事項全範囲について学べる参考書です。

最重要の動詞編からスタートしているので、まず1章の動詞から進めるのが良いでしょう。1章の動詞周辺4章の関係詞周辺が最重要なので、必ず何周も繰り返してマスターしてください。


英頻の特徴として各章で多く掲載されている語法問題ももちろん完璧にしたいですが、語法系の問題は理解というよりは覚えているかどうかなので、時間がかかるのは文法や〜の用法といった種類の問題です。

四天王との違いは?

文法四天王(Vintage、ネクステ、スクランブル、UPGRADE)のいずれかを使っている、もしくは使うか検討している受験生も多いでしょう。四天王と比べて英頻は違いがあるのかについてご紹介していきますね。

まず難易度が異なります。例えば分詞について、英頻では能動関係や受動関係についての詳しい解説はありません。これらはすでに学んである前提で解説が進んでいきます。


各分野、基礎レベルといわれる一番重要なレベルの問題は1-2問しか出題されておらず、やや複雑な文法事項が問われています。

四天王の中での標準レベル〜難しいレベルの問題が英頻では標準レベルとして出題されているイメージですね。

またそれに伴って、基礎レベル事項の解説も少なめです。四天王では各重要事項は解説部に「まとめ」のような形式でまとまっているコーナーが設置されていますが、英頻にはそれがありません。


Extra問題はセンター共テで80%超えたら始める

各分野の最後のページについているExtra問題は下線部の間違いを探す難しい問題です。誤文訂正形式と呼ばれ、大学受験で出題される最も難しいレベルの問題と言ってもいいでしょう。早稲田大学理工学部など、最も難しいレベルの英語を出題する学部で出される形式です。

文法四天王の参考書がほぼ完璧な場合や、センター試験過去問、共通テスト過去問・模試などで80%以上を安定して得点できるようになったらチャレンジしてみましょう!

自分の志望校で出題される場合はもちろん、志望校で出題されない場合でも深い文法理解になっているかを確認できる良い問題です。


他の英頻との違いは?

大学受験の参考書で英頻と呼ばれている参考書はいくつかあり迷ってしまいがちです。

英語 頻出」という言葉がついている参考書は英頻と呼ばれがちで、英頻というと人によってはこの画像のピンク色の参考書のことを指すかもしれません。

今回ご紹介している英頻は、英頻、英頻1000と呼ばれることもあります。

一方ピンク色の方の英頻は、イクスタでは即戦ゼミと呼んでいます。

即戦ゼミ 英語頻出問題総演習

英頻はいつから始めればいい?どんなスケジュールで進める?

英頻は、受験学年の4月よりも早いタイミングで始めることができていれば良いスケジュールで進めることができています。受験学年の4月までで英頻を始めることができている≒英文法の基礎〜標準レベルが固まっている、という状態になっていれば共通テストレベルでも70%程度、センター試験過去問でも70%程度は得点できているはずです。ここまで進んでいれば基礎は固まっていると言えるので、どんな志望校であっても対策を始めることができる状態です。

イクスタルールで言うところの、一文読解の80%完成にほぼ近づけていることになります。

> 英語リーディングの共通テストレベルで70点以下の受験生全員が勉強すべき最短ルート - イクスタ

英頻にはどれくらい時間がかかる?

Extraも入れると1267問の構成で、こうした問題の1周目は1問あたり解説まで読んで3-5分かける受験生が多いので、1問あたり4分かけるとしましょう。1267問×4分=85時間毎日1.5時間かけるとして約60日間≒2ヵ月かかります。

1周で2ヶ月は少し時間がかかりすぎですが、4月1日から英頻を始めたとして5月31日には1周終わっている計算です。私立文系志望であれば、5月末に英頻の1周目が終わっていれば十分良いペースです。6月頭から2周目、3周目と進んでいけば英文法の知識に関しては十分に早稲田や慶應の入試問題で合格点を取るための英文法は身につけることができるでしょう!

国公立志望の場合には、英頻に毎日1.5時間かけるのは現実的ではないですし、他の科目との兼ね合いもありますのでもう少し長期間にわたって使うことになることを想定してください。

今回は4月頭から英頻を始めるスケジュールをご紹介しましたが、高2の12月ごろに始めていればより良いですし、逆に受験学年の7,8月から始めるスケジュールでも、過去問などと並行していけば2月の入試本番までには十分定着させることができます。

焦らず、でも最速で

繰り返しになりますが、英頻は難易度の高い参考書です。英文法の基礎〜標準レベルが固まっている状態から始めることで早慶や旧帝大で求められる英語力をつけることができます。学校で配られていたとしても今の自分のレベルを確認しながら進めてくださいね

英頻が終わってからおすすめの参考書

英頻までが定着して完成しているのであれば、大学受験で求められる英文法の知識はほぼ網羅していると言ってよいです。4択式の空所補充と呼ばれる参考書で英頻の次に必要な参考書はもはや無いので、自分の志望校の入試問題形式にあった参考書を選んでいくことになります。

誤文訂正500

英文法・語法 良問500 誤文訂正編

英文法の幅広い知識をチェックするための参考書として、イクスタでは誤文訂正500-河合塾をおすすめしています。

英文法に関する出題の中ではこの誤文訂正問題が最も難しいです。早稲田大学の社会科学部や人間科学部では実際に1つの大問として出題されており、英語の満点のうち20%ほど配点がある問題です。

傍線部のうち、文法的に誤りのある箇所とその内容を問うこの形式で、英文法を深く理解しているかどうかをチェックすることができます。

英頻と誤文訂正500までの内容を何周もして定着させることができていれば、日本の大学受験において英文法分野で怖いものはほぼなくなっています。


ここまで英頻について難易度や使うべき受験生、使うべきタイミングなどをご紹介してきました。

英文法の難しい参考書ですが、標準レベルまで身につけてこの英頻をやり切れれば自信をつけることができるはずです!

英頻を使って自分の志望校合格に向けて突き進んでください!


「自分自身を裏切らない努力の姿勢が未来の結果として現れてくる」 (羽生善治:将棋棋士)


イクスタ/土井


イクスタでは他にも早慶など難関大学に合格するための英語のノウハウをご紹介しています。ぜひご参考にしてください!

> 早慶に合格できる英語力をつける2つの鉄則と分野別勉強法☆ - みさみさ イクスタ

> 英語リーディングの共通テストレベルで70点以下の受験生全員が勉強すべき最短ルート - 土井万智 イクスタ

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イクスタの創業者、土井による論理的・戦略的な受験計画と戦略の作成

本気で合格するためにはどの教材を、いつまでに、どれくらい終わらせる必要があるのかを志望校データや教材のレベル別に全ての教科で洗い出し、明確に予定を立てます。
過去問に入る時期や基礎完成の時期などいつ何をやればいいか、完全にコントロールできるようになる必要があります。

イクスタコーチ

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