英語ゼロの受験生が賢く最短で難関大学を攻略するための英語の勉強法 国公立私立編 イクスタ完全版

英語ができれば人生は変わる...!

大学受験で英語はもちろん必須。英語の配点は高いし、英語が早めに完成すれば他の科目を伸ばす時間を作れます。つまり、英語が出来るか出来ないかで合格できる大学が変わります。

合格した大学によって人生は変わります。大学以降の人生、大学によって選べる仕事や出会える人も変わってきます。例えば私が出身の早稲田大学では今思えばとても刺激的な人が集まっていました。大学時代に立ち上げたイクスタの創業当初に関わっていた人たちはほぼ全員独立しています。

つまり、英語人生を変えることができるのです。


大学受験で人生を変えたいと思っている受験生に向けて、この記事を贈ります...!



今回ご紹介する英語の勉強法・手順はイクスタコーチで採用している標準モデルです。イクスタコーチでは毎週60分の面談で入試当日までの受験生活をサポートしています。

マジで時間がない。


本気で自分の人生と向き合っている受験生とイクスタで毎日1対1で面談していますし自分も野生の受験生だったので、受験勉強において最も大事なのは時間だと考えています。

世に出ている英語の勉強法ノウハウや勉強動画で欠けてるよな〜とつくづく感じるのは時間感覚。大人になってからだと英語を勉強するにしても期限が長くなるのでこの視点がかけがちで、たっぷりリッチな勉強内容をできると想像しがちですが、大学受験生はマジで時間がない

そもそも授業があるし定期テスト対策や学校行事で受験勉強だけにかけられる時間が時間が少ない中で、いかに達成すべき状態や効率を考えて賢く最短で志望校に合格するか。


大学受験で人生を変えるための英語をマスターするためのノウハウを網羅的にまとめようと思ったら、とんでもなく長い記事になってしまいました。もはや単行本にしようかしら。目次を準備してあるので、自分に必要だと思うところから読んでくださいね!


特に「一文読解の完成まで」は100%全員の大学受験生にマスターしてほしいので必ず読むことをおすすめします。一文読解の完成までを終わらせたらそこから先は志望校や残り時間によって優先順位が異なります。


まず最初に、あなたが英語をどのレベルまで完成させるべきかについてご説明します。

高校や塾で英語の授業を受けているし参考書は単語文法を回してはいるけど、どこに向かっているのかどうなればゴールなのか分からないまま英語を勉強している」受験生になってしまっていませんか。


先生や講師に言われたがままに勉強するけどなかなか伸びない受験生を毎年見かけます。そういう受験生は、「達成目標の認識」と「時間感覚」が薄い。大学受験は常に残り時間が厳しいので絶対に意識しなければならないのですが、今やっていることをいつまでに終わらせなければならないのかの意識をしていないと危険極まりないです。

これを読んでいるあなたにはそうなって欲しくないのでまずは英語が大学受験生にとってどのように重要なのか、どの程度優先させるべきなのかをデータや事例を元にご説明します。

次に英語のスケジュールの例をご紹介します。英語は大きく分けて単語・熟語、構文、文法、一文読解、長文、英作文のステップに分かれます。それぞれのステップでどれくらい時間がかかるのかをイメージでご紹介します。

そして大学受験の英語で有名大学に合格するためには絶対に必要不可欠である一文読解に関してご説明していきます。

それぞれの項目において、これまでイクスタの難関大学生が培ってきたノウハウを記事にしたものを紹介してあるので、興味があればぜひ記事を読みにいって自分のモノにしてください。


大学受験における英語の重要性

各大学での配点

そもそもなんで英語が大事なの?

→「大学の合格最低点を取るためには英語の試験で7割得点する必要があるから!

国公立大学は共通テスト&二次試験の合計得点で合否が決まります。私立大学は一般試験の一度の得点で合否が決まります。

国公立大学文系の場合には共通テストで900点に加え、二次試験の英語(200点)(数学か国語か社会 200点)の合計点で合否が決まります。共通テスト900点二次試験400点はあくまで一例ですが、大体国公立大学文系の場合にはこのような配点になっていることが多いです。

共通テスト900点のうち200点は英語のリーディングとリスニング、二次試験のうち200点は英語、つまり今回の例の場合には1300点中400点30%以上は英語の配点になります。


国公立大学は大学によって共通テストも二次試験も科目や配点が異なるので必ず「志望校名 入試要項」で検索して自分が受験する学部の配点を確認ください。


私立大学は英語の重要性がさらに高まります。そもそも受験に必要な科目が3科目と少ないことに加えて、英語の配点が最も大きいです。標準的な配点では文系では英語150点、国語100点、社会100点という配点が多いです。さらに上智大学や立教大学、青山学院大学などキリスト教の組織が大学発足のきっかけとなった大学では英語の難易度が高くそのほかの科目の難易度が低く設定されており、英語の得点が合否に与える影響がさらに大きくなるためさらに重要になります。

配点上は150点/350点(英語150点、国語100点、社会100点)で42%が英語の配点となっていますが、実際の合否には英語がダントツで大きく影響します。

国公立志望の受験生でもMARCHや関関同立は一般で合格しておきたいので、これらの大学を確実に合格するためにも英語は超大事なんです。


他の科目との兼ね合い

大学入試の配点で一番大きいのは英語なので、大学受験の勉強を始めたら勉強時間の中で英語を優先します。文系だったら5-6割、理系だったら4-5割の時間はまず英語に費やし、英単語と英文法の基礎をマスターすることを最優先とします。

単語から始めて文法や構文を続け、共通テストレベルで最低でも6割、できれば7割得点できるようになるまでは英語を最優先にし続けることをおすすめします。

共通テストで6割取れるまでに時間がかかってしまうとなかなか他の科目に移ることが出来ません。第一志望校や併願校のことを考えると英語を安定させることが何より大事なので、英語を安定させるのに時間がかかればかかるほど他の科目に時間をかけることが出来なくなります。

他の科目に十分に時間をかけるためにも英語は超重要なのです。


英語のスケジュール イクスタコーチの標準モデル

では大学受験の英語で合格最低点を取れるようになるためには、何をどういう順番で進めればいいのか、どれくらい時間がかかるのか気になりますよね。

ここからはイクスタコーチの標準モデルを元にご説明します。

志望校ごとに大きく3つに分けました。最難関私立である早稲田大学と、難関レベルの国公立大学(偏差値58-65程度、旧帝国大学や東京外国語大学、筑波大学、お茶の水女子大学、横浜国立大学、東京農工大学、名古屋工業大学、歯学部系、薬学系、獣医系などです。東大や京大、国公立医学部など最難関国公立は含みません)、MARCHや関関同立など有名私立大学の3つをご紹介します。

画像でご説明している通り、早稲田大学は16ヵ月国公立大学と有名私立大学は12ヵ月の計画です。大学受験に向けて英語を本格的に勉強したことがない場合にはこれでも少し厳しいスケジュールで、もっと時間がかかる可能性はありますが、毎日本気で勉強したとして間に合わせる計画として16ヵ月、12ヵ月で設定しています。


教材はイクスタコーチとしておすすめできるものをリストアップしていますが、教材の主旨さえ合っていれば他の教材でも力を伸ばすことが出来ます。他のおすすめ教材は、のちほど分野ごとにご紹介しています。


最重要🔥 一文読解までをマスターする方法

大学受験の英語を伸ばす上で絶対に外してはならない視点が「一文読解が完成」しているかどうかです。

一文、つまりピリオドからピリオドまで1つの文章をマスターする、その方法です。長文読解や英作文などよりもまずピリオドからピリオドまでの一文で読めない文章を以下に少なくするか。読めない一文を限りなく少なくしていくことを最優先にしていきます。このステップが完成していない段階で難しい長文読解を解くのは時間の無駄(二度手間)とイクスタでは考えています。

一文は単語・熟語・文法・構文で成り立っています。

これらの4種類に注目して知識を理解・定着させていくことが最優先です。


大学受験での標準レベルの参考書を使ってこれら単語・熟語・文法・構文を進めていけば、ほとんどの大学で合格点を取ることができるようになります。「え、本当に?」と疑ってますよね?本当なんです。

東大や京大、慶應や早稲田大学などの最難関大学の場合には標準レベルの参考書では合格最低点の70%には届かないのですが、これら最難関大学以外は本当に合格点を取れちゃうんです。


長文やってるけど英語全然伸びている気がしない

単語やれば英語できるようになるんじゃないの?


という受験生、これを信じてここから先を読み進めてください。

あれ、MARCHの入試問題でも合格点が取れるようになってる...!」ってなるはずですよ!


一文読解までを完成させて、あとは時間内に解き切れるように英語を読むスピードを上げていくステップが必要になります。


一文読解を構成する4つの要素

ではここから、英語の一文読解をマスターするための手順と使うべき参考書をご紹介していきます。

先ほどご紹介したように、単語・熟語・文法・構文の4つの要素です。

どれも聞いたことがあるとは思うのですが、受験経験者じゃないと知らない意外と大事なポイントがいくつかあるので知っておいてくださいね。


英単語 一文読解の勉強法

単語や熟語は英語の受験勉強を始めた序盤から終盤にかけて、継続的にインプットが必要になります。

標準レベルの単語帳の半分くらいの超頻出レベルの単語は最速で固めたいです。メインとなるのはターゲット1900やシステム英単語、速読英単語です。これらよりも簡単なレベルについて不安な場合は後々危険なので必ず簡単なレベルの単語も確実に定着させてください。

超頻出レベルの単語を見たら1秒以下で日本語がイメージできるレベルまでに理解を定着させる必要があります。超頻出レベルが完成したら、そこからは毎日30分ほど単語の時間に当てて、長期的に全体を定着させていきます。文法と並んで英語の土台となる力ですので、特に序盤では英語の時間の半分は英単語の定着に使ってください。サイクル暗記法などを使って長期記憶を狙います。

おすすめの参考書

📚 ターゲット1900

📚 システム英単語

📚 速読英単語必修編


超頻出単語 レベルの目安:

📚 ターゲット1900→No.1-No.1000まで

📚 システム英単語→Stage1,2

📚 速読英単語必修編→No.40までの英単語(速読英単語は難易度順に単語が並んでいるわけではないのでレベルで分けるのは難しいが、分量オーバーにならないようにNo.40くらいまでにする)


もちろん、上記の3つの参考書よりも簡単なレベルの英単語はマスターしておかなければなりませんし、この3つの単語帳じゃないとダメだということはありませんよ!

参考:最初の30日間は英単語だけでいい?意外と効率的な高1,2生限定の英語勉強法 - イクスタ

参考:英単語ターゲット1900のレベルは?ターゲット1900だけで合格できるの?有名大学の先輩が特徴や使い方を紹介します! - イクスタ

参考:早稲田生が語る「システム英単語」を使った英単語勉強法!レベルや問題数、使い方は? - イクスタ

参考:単語力と速読力を同時にググッと伸ばす、速読英単語必修編のズルい使い方 - イクスタ

英熟語 一文読解の勉強法

MARCH以上のレベルでは一番差がつくのが英熟語です。嘘だと思うでしょ?英単語の重要性は誰でもイメージできると思うのですが、英熟語の重要性は気付く人しか気付かないのです。例えば簡単な単語の組み合わせmake outの意味はご存知ですか?

make outは「理解する」という意味の熟語なのですが、これが熟語だということを知らないと熟語だと気付くことも出来ないんです。さらっと長文の中でmake ~~ out~~ が出てきても「理解する」というニュアンスが隠れていることに気付かず、「知らない単語は無いのに文章が理解できない...!」という困った状況になってしまいます。こんな状況は受験勉強のはじめのタイミングでも、入試レベルの過去問を解いている時にもやってきます。イクスタコーチの受講生は6月ごろから入試問題の過去問演習を週に1-2年分解き始めるのですが、そこで答え合わせと伸び代確認をすると英熟語の知識不足で失点することがとても多いです。

熟語は本当に本当に甘く見ないでください。MARCH以上を目指す場合には必ず英熟語に取り組んでくださいね。


おすすめの参考書

📚 ターゲット1000

📚 速読英熟語

英熟語は英単語に比べて定着させるのに4-5倍の時間がかかるので、半年くらいかけて1冊を完璧にするイメージで進めましょう。文法のところで紹介する四天王にも英熟語、イディオムは400-500ほど掲載されているので、まずはこちらを完璧にしてからでもOKです。

参考:ナメてる受験生多すぎ?初心者ほど見落とす英熟語の重要性と勉強法 - イクスタ

参考:共通テスト熟語はこれで完璧!英熟語ターゲット1000の特徴や使い方を解説 - イクスタ

参考:生きた熟語で記憶に残る速読英熟語。難関大の英熟語も万全にする使い方 - イクスタ


英文法 一文読解の勉強法

単語と並んで最重要なのが英文法です。一生英文法やっててもいいくらい、英語を読めるようになるためには超重要な英文法なのですが、なんといっても地味なので、あまたの受験生が「文法早く切り上げて長文読みたい病」にかかります。弱い意志につけ込むこの病気にかかってしまった受験生は、英語の成績が伸びるのが3ヵ月遅くなってしまうと言われています。


英文法は2つのステップに分かれていて、

① 仕組みをじっくり理解するステップ

② 例題をたくさん解いてたくさんパターンを覚えるステップ

に分かれます。


① 仕組みをじっくり理解するステップでおすすめなのは、

大岩の英文法です。各文法分野の難しい考え方をわかりやすい日本で説明してくれています。

学校の授業で英文法を習った記憶がほとんどないなら、「大岩のいちばんはじめの英文法」をおすすめします。仮定法、関係詞などの英文法の用語説明から代表的な問題までを扱っています。各英文法の代表的な問題を扱っています。まずはこの教材で絶対に抑えるべき知識をマスターして次に進んでください。


意外と!この大岩レベルの英文法が抜け落ちていてあとでスランプに陥る場合があるので、絶対の自信がない限り本屋さんでこの参考書を見てみて、全ての練習問題をちゃんと正解できるレベルなのかを確認してください!

他にも学研の「高校英文法をひとつひとつわかりやすく。」もおすすめです。

おすすめの参考書

📚 大岩のいちばんはじめの英文法

📚 高校英文法をひとつひとつわかりやすく

参考:大岩のいちばんはじめの英文法はいつまでに完成させるべき?イクスタコーチが紹介 - イクスタ

参考:高校英文法をひとつひとつわかりやすく。改訂版 - Amazon


② 例題をたくさん解いてたくさんパターンを覚えるステップ

このステップでは①で理解した知識をベースに、様々なパターンの問題を解きながら文法の知識を定着させていきます。このステップは文系の受験生は国公立志望私立志望に関わらず大学受験で最も重要で時間をかけるべきステップです。

イクスタでは文法四天王と呼んでいる4冊のどれかを使い込みましょう。4-6ヵ月かけて極めてください。文法四天王とはVintage、ネクステ、スクランブル、UPGRADEの4冊です。


おすすめの参考書

📚 英文法語法Vintage

📚 Next Stage 英文法語法問題

📚 スクランブル英文法語法

📚 UPGRADE英文法

参考:英語の参考書はこの中から選ぶだけで大丈夫。イクスタコーチが受講生に本気でおすすめできる英語の参考書・問題集 - イクスタ

参考:【英文法】この一冊~ヴィンデージ Vintage~で文法を仕上げよう!レベル・問題数・使い方を早稲田生が解説! - イクスタ

参考:ネクステで難関大にも合格できる英文法力をつける方法。問題数・レベル・使い方を徹底解説します! - イクスタ

参考:スクランブル英文法はライバルよりも解説が詳しくておすすめ!イクスタコーチが紹介します! - イクスタ

構文・英文解釈 一文読解の勉強法

構文・英文解釈では、単語や文法の知識を使いながら大学受験本番で出題されるレベルの文章を実際に理解できるかの訓練をします。これまでの単語力や文法力、そして国語力を総動員して文章を理解していきます。

英語には、単語や文法の知識があってもそれだけでは意味を取ることができない文章が存在します。

◯ これまでの知識を生かしてまとまった英文の意味を理解する訓練

◯ 英単語や文法などの知識だけでは意味が取れない構文を学ぶ

◯ 国公立大学でほぼ必ず出題される、英文和訳の実践的な練習

このような目的で構文・英文解釈の教材を進めます。


この文章を日本語に訳すことができますか?


The world is so made that someone loves you.


難しい単語は使われていないこの文章も初見では??となりますよね。

副詞節を作るso thatの役割を知っている必要があるのと、若干の日本語力もあればより自然に訳すことができます。


「世界は、誰かが君を愛してくれるようにできているものなのだ」


単語の意味のゴリ押しで読めるのは共通テストよりも簡単な英語のレベルまでです。特に動詞を中心とした文法や構文の知識をマスターすることで、自然な意味で把握できる英文が増えます。

このステップでおすすめなのは、「英文読解入門 基本はここだ!代々木ライブラリー」。この教材は全員の受験生におすすめしたい参考書。簡単な単語でも日本語では意味が取りにくい例文を取り上げています。また、句や節の役割や働きについても理解を深めることができます。

上の例題も基本はここだ!からの引用でした。


他にも有名なのは「入門 英文解釈の技術70」「基礎 英文解釈の技術100」「英文解釈のテオリア」などの参考書がおすすめです。

「基本はここだ!」に加えて上記から1冊を何度も繰り返して完全理解を目指しましょう。この2冊で例文は300ほどになるので読める文章は格段に増えているはずです。

有名な参考書

📚 基本はここだ!

📚 入門 英文解釈の技術70

📚 基礎 英文解釈の技術100

📚 英文解釈のテオリア

英文解釈の技術シリーズの最も難しい「英文解釈の技術100」(通称無印100)は英文解釈では本当に難しいレベルですので、英語にかける時間がたっぷりある場合以外には通常必要ありません。

参考:基本はここだ!英文読解入門の特徴や使い方をイクスタコーチが徹底解剖! - イクスタ

参考:入門英文解釈の技術70のレベルや問題数、使い方を徹底紹介!どの大学まで対応できる? - イクスタ

参考:西きょうじによる無慈悲な英文解釈を体験したい人へ。ポレポレ英文読解の使い方 - イクスタ


一文読解を完成させるために必要なステップをご紹介してきました。

ここまでであなたが合格するまでに必要な英語の7割は終わっています

実際、今週イクスタコーチでサポートしている受験生も、まだ英語の長文の参考書は1つもやったことが無いのに、中央大学の英語で時間内に75%、私立の獣医系大学でも80%得点できています。


大学受験の英語と言えば先生が長文を解説しているイメージがありますよね。僕もそうでした。でもあれって受験の最後の部分でいいんです。長文を解いてみても間違える箇所は結局のところ単語を知らなかったり熟語や文法の知識が抜けているってことになるんですよ。


私はイクスタコーチとして毎日本気の1対1でそれぞれの受験生の将来のために本気で向き合っています。それぞれの受験生に限られた時間の中でいかに最短で志望校の合格点に近づくか、そう考え続けてきた中で、英語で最重要なのは一文読解までだ。そう気付くことができました。

これをお読みの受験生または保護者の方も、まずは一文読解までを極めるための計画を立てて実行していただきたいと思います。


一文読解以降の勉強法

ここまでご紹介してきた一文読解までを終わらせたら、次は志望校の入試問題に合わせたテーマと勉強法が必要になります。

大きく分けて長文読解英作文がメインです。

長文読解 の勉強法

ほとんど全ての学部で長文の問題文が出題されます。長文の問題文が出題されると言っても実は配点がついている設問は長文の内容とは関係ないこともあるのですが、それでも長文の問題文を早く正確に読むことは重要です。

英語の長文問題は大抵以下のような設問です。

・傍線部の内容を言い換える問題

・(空所)に当てはまる単語やフレーズを答える問題

・本文全体の趣旨と合っている説明を選ぶ問題

一文読解までが完成していればMARCHのような有名大学レベルの問題でも合格点くらいの得点を取ることができるのですが、問題なのは「時間制限」です。一文読解までは時間感覚がないまま知識の理解・定着を進めてきたので、いざ入試問題を時間内に合格点を取ることを目標にすると時間制限が厳しいことが分かります。(それでも一文読解までを完成させていれば時間制限内に合格点を取れてしまう受験生はいるんですけどね。)

少しでも解く時間を早くするために専用の参考書使って長文読解を早く正確に解く技術を鍛えていきます。


パラグラフリーディングディスコースマーカー、純粋な慣れなどを通して、初見の長文問題をいかに早く理解するか、いかに早く設問に正解するかを学んでいきます。


おすすめの参考書

📚 The Rulesシリーズ

英語の長文読解の参考書は本当にたくさん出ていますが、Rulesだけで良いです。それぞれの参考書を2-3周すること、一文読解があること、過去問演習することを考えると、英語の長文問題は多くても30題しか解けないです。まず優先すべきはRulesシリーズで、店頭で見てみて少し簡単かな?くらいのレベルから始めてください。Rules以外ではZ会のRiseシリーズもおすすめです。

参考:【英語】解説の良さに感動!The Rulesシリーズ 英語長文のおすすめ参考書! - イクスタ


英作文 の勉強法

英作文は大きく分けて和文英訳自由英作文に分かれています。


和文英訳

和文英訳とは日本語を英語の文章に変えるもので、例えば以下のような問題です。


以下を英訳せよ。

「日本の近代化がヨーロッパの影響を受けながら辿ってきた道筋を考えるには、そのヨーロッパのことをもっと知らなければならない、といったことも感じていたのだった」

2023年東京大学 改題


上記の問題や2023年に東京大学で出題された和文英訳問題を一部改良したものです。このように、日本語を英語に訳す問題が出題されます。

東京大学をはじめとして、難関の国公立大学ではほとんど必ず出題されます


上の問題、東大にしてはそれほど難しくなさそうに思えませんか?そうなんです。東大といえど、英文解釈や英語構文の教材で出てくるような文章と文章のレベルはそれほど変わりません。いかに標準レベルを徹底できるかが問われています。


時制を揃える関係詞の使い方比較の使い方など頻出の型を身につけることで、英文を作るときに使える手札が増えます。ゼロからオリジナルの文章を作ることにチャレンジするのではなく、型通りの穴のない英文を作れるようになるのは第一ステップです。

おすすめの参考書

📚 ハイパートレーニング 和文英訳編

自由英作文


自由英作文は、お題に沿ってゼロから英語の文章を作って自分の意見を述べたり内容を説明したりする問題です。


ここでも例題を出しましょう。どのレベルの大学の問題だと思いますか?


以下の問いに対して、理由を添えて60-80語の英語で考えを述べよ。

「今から30年後、移動(通勤や通学、旅行など)の手段はどうなっていると考えるか」


求められている英作文の内容はそれほど難易度の高い問題が求められているわけではなさそうですよね。日本語で答えようと思ったら、2-3分考えればそれなりにちゃんとした自分なりの意見を出せそうです。


この問題はどの大学からの出題か、これも東京大学です(2023年 改題)。


英検など英語外部試験のライティングで求められている力と変わらないと考えて良いです。英検のCSEスコア2300点を取れるようなレベルに達していれば、今回例題として出した東大の英作文の問題は合格最低点近くは取れるはずです。

自由英作文は最も実力差が出るところで大学受験英語の中では最も応用レベルですが、これもいかに定番の型を早く身につけるかが重要です。決してオリジナリティー溢れる文章は求められていないので、採点しやすそうな英文を書くことを目標にしてください。


自由英作文で求められる力は3種類あります。

① 国語力や教養

② 作文の構成力

③ 表現の知識や技術


特に差が出るのは②作文の構成力です。自由英作文はたいてい80-120語を答えることが求められます。

① 意見の結論 ②結論の背景や理由③結論の背景や理由その2④もう一度結論で締める

このような構成通りに英文を書けるかがまず大きな差になります。独特なアイデアを表現する必要はなく、無難な意見をロジカルに表現できるかだけにこだわってください。

自由英作文は独学では勉強しにくい分野でした。可能であれば英語の先生に添削してもらいたい範囲だったのですが、今はChatGPTを使って英作文を添削してもらうことができます。

おすすめの参考書

📚 ハイパートレーニング 自由英作文編

志望校の出題傾向に合わせて、一文読解とともに長文読解や英作文の対策を進める

ここまで、一文読解以降の、長文読解と2種類の英作文についてご説明してきました。

あなたの志望校には、長文読解と2種類の英作文のうちどれが必要ですか?それぞれの知識・理解・技術を高めるために分野に絞った対策が必要になります。

また、それぞれの対策をすればするほど、一文読解までの知識がいかに重要になるかが分かってくるはずです。

可能な限り早く、できれば5月までには一文読解は完成させておいてください。そこから長文読解や英作文、過去問対策を始めることになります。


ここからは大学の難易度ごとに、英語で求められる単語・熟語、英文法、構文、長文読解、英作文のレベルと対策法をご紹介していきます。国公立と私立に分けて、さらにそれぞれ2つのレベルに分けているため自分の志望校のところからだけ読めば大丈夫なように作ってあります。そのため、国公立私立、大学のレベルによって表記にダブりがあります。


最難関国公立大学で求められる英語のレベル

最難関大学とは、国公立医学部、東京大学、京都大学、東京工業大学、一橋大学です。これらの日本でも最難関の国公立大学で合格点を取るために求められる英語の知識や理解、技術について、単語・熟語、英文法、構文、長文読解、英作文に分けてご紹介していきます。

英単語 最難関国公立大学

まず序盤では中学レベル、高校入学レベルの英単語が完璧にできているかを確認します。このレベルは99%の単語の理解していることが求められます。もし不安であればターゲット1200や速読英単語入門編を1ヶ月でやりきって完璧に仕上げてください。

中盤では、大学受験の標準的なレベルの英単語を毎日30-40分の時間をかけて継続的にインプットし続けます。ターゲット1900のNo.1500までシステム英単語のStage3まで速読英単語必修編レベルを早く完成させることができればできるほど、長文読解や英作文に時間を使うことができます。

ターゲット1900のNo.1500以降、システム英単語Stage4、速読英単語上級編などの難易度の高い英単語の優先度は実はあまり高くなく、終盤以降の過去問演習で英単語の語彙不足による失点が多すぎるようであれば、難易度の高い英単語も導入します。鉄壁やリンガメタリカも候補となります。

終盤では、過去問演習サイクルをベースにしたインプットに移行します。過去問を解いて失点に繋がった英単語は必ずピックアップし、電子辞書の英英辞典で類義語をチェックします。

また中盤で使った英単語帳も単語も少しずつ忘れ続けていくので、2-3日に300単語ずつ復習するなどシステム化して長期記憶に繋げます。


英熟語 最難関国公立大学

熟語は地味な存在ですが、レベルが高い争いになればなるほど差が大きくつく分野です。必ず、自信があると言えるほど仕上げてください。イクスタコーチの受験生に限らず、たいてい英単語は危機感を持って進んでやり込むのですが、英熟語になると急にモチベが下がります。でも過去問演習サイクルを始めると「熟語だったわ〜」ってなるんです


英熟語は英単語よりも数は少ないですが覚えるのに時間がかかるので、長い期間取り組むつもりで計画に組み込みましょう。まずは文法四天王に掲載されている熟語・イディオム編の300-400の熟語を3-4ヵ月以内にマスターし、次に英熟語帳を買って進めます。


使うべきなのは速読英熟語ターゲット1000。どちらかにしましょう。難易度の高い英熟語を求めるのであれば解体英熟語を使用してもいいですが、難易度的にはtoo muchになりがちですので要注意。


英文法 最難関国公立大学

英文法は大学受験の英語で最も時間をかけるべき分野です。最初から最後まで、英文法知識の理解&定着が最重要です。

難しい大学であればあるほど英文法の運用能力が深く問われるようになります。ある国公立大学の問題作成を担当している教授も「英作文は文法の運用能力を試している」と発言しているくらい、英文法は広く深く問われています。長文読解の本文理解のためにもちろん必要不可欠ですし、文法そのものの問題も出題されます!

最難関の国公立大学では、中途半端な英文法の理解では合格点に届くことはできませんので、やりすぎというくらい英文法を極めてください。単語は極める必要はありませんが、英文法は極めなければならない分野です。

最初から最後まで英文法のインプットと理解は必須です。英文法を学ぶための教材はたくさんあるのですが、質の高い教材に絞って自分のレベルにあった教材から順番に進めていくことを心がけてください。


最も基礎レベルである大岩の英文法についてご紹介しました。意外と!この大岩レベルの英文法が抜け落ちていてあとでスランプに陥る場合があるので、絶対の自信がない限り本屋さんでこの参考書を見てみて、全ての練習問題をちゃんと正解できるレベルなのかを確認してください!

大岩が必要ない場合、もしくは大岩を終わらせたら次はメインとなる文法問題集に進みます。イクスタでは文法四天王と読んでいる、Vintage、ネクステ、スクランブル、UPGRADEのうちどれか1冊を完璧になるまで4-5ヵ月繰り返します。最低でも3周、分野によっては7周以上周回して、どの問題にも即答できるくらい理解を深めてください。まずは文法編を毎日1時間かけて2周してから、語法編と熟語編を同時に進めるのがおすすめの進め方です。文系の場合には、このステップの文法問題集こそが、大学受験でもっとも長く使う参考書になるはずです。使いやすそうなものを選んでください。四天王の中でおすすめはVintageかスクランブルです。

四天王までは最難関国公立大学の英語のためには絶対に必要なステップで、ここからは他の科目の成績や出題形式によって必要な教材は異なりますが、おすすめの教材をご紹介します。


英頻1000

文法四天王の1つ上のレベルの文法や語法を扱っています。語法範囲が多めで文法が少ないので、文法が盤石かどうかは他の参考書で確認することをおすすめします。


英文法・語法 良問500 誤文訂正編

傍線部の中から文法的な誤りを見つけて正しいものに直す問題が集まっています。東大でも出題される形式でもありますし、深い文法理解になっているかを確認できる良い参考書です。文法四天王を完成させてから毎日30分ほど時間を取ってコツコツ進めるのがおすすめです。


英文法ファイナル問題集 標準編

英文法の知識を広く深く理解しているかを確認するための参考書です。苦手な範囲をあぶり出して復習に生かすこともできますし、この教材の中で学び直すこともできます。Step3までの中でStep1,2で分からないところがあるのは致命的なので、この問題集の中で復習し、さらにこれまで使ってきた教材の見直しをしてください。



構文・英文解釈 最難関国公立大学

最難関国公立大学では英文を和訳する問題が頻出するので、このステップでは、構文や英文解釈を学ぶとともに得点が取れる和訳はどういうものかの理解を深める重要なステップにしてください。特に重要なのは、それぞれの問題の最も重要なフレーズはどこかを見抜いて採点しやすいような日本語に仕上げることです。

基本はここだ!」「入門 英文解釈の技術70」のレベルは確実にマスターしてください。


他の科目とも兼ね合いでもありますが、最難関国公立大学では「基礎 英文解釈の技術100」「英文解釈のテオリア」レベルは仕上げることが必要になります。

英文解釈の技術シリーズの最も難しい「英文解釈の技術100」(通称無印100)は最難関大学のレベルといえど、必要とまでは断言できません。余裕があればやる、くらいで良いでしょう。

構文・英文解釈の参考書は有名なものがいくつか出ています。合計で300-400例文をインプットできることを目指して進めていきましょう。

長文読解 最難関国公立大学

最難関国公立大学では、長文の本文を元に内容一致や英文和訳、和文英訳の問題が出題されます。そのため500-700語の長文が元になっている大問を解く練習が必要です。一方で、この記事でも何度も触れているように現代の大学受験対策では英語の長文読解が過大評価されすぎている節があります。

「長文読解こそが大学受験で一番重要!」

「いかに難しい長文読解を読み解けるようになれるか!」

そんなイメージを持っていませんか?

長文読解は英語では花形のように見えますし私も長文読解が一番得意です。実際に入試問題も長文読解がメインなのは確かですが、入試問題の設問や配点を細かく分解すると、合格点を取るための長文読解力というのは抽象的な概念で、国語力という言葉と同じくらい一般化しにくい力なんですよね。単語・熟語・文法・特殊な構文の知識や理解の方が重要です。

予備校や学校の授業、参考書でも長文が最も花形として扱われていますが、自分が長文読解の勉強にたくさん時間を使えるようなステップに立っているのかどうかは慎重に見極めてください。


長文読解で出題される文章を通してこれまでの単語、熟語、文法などの知識を再確認するとともに、英語の文章のテンプレートを定着させていきます。また長い文章の趣旨や主張を把握する練習を行います。

英語の文章を正しく理解するための練習であるとともに、設問に答えるためには本文に戻るべき位置はどこか、など形式に慣れるためにも有効です。また音読の素材としての1つの文章の理解を深めます。


最もおすすめなのはThe Rulesシリーズです。長文読解の問題集の中では割と最近発売された参考書ですが、イクスタ受講生の中でも評判も良く、数ある長文読解の問題集があれども、まずはこのシリーズをやっておけば間違いないと言えるシリーズです。難易度は4段階で4冊発売されています。最初は1か2から始めるのがおすすめですが、自分の合っているレベルは店頭で確認してみてくださいね。

最難関国公立大学で求められるレベルとして、The Rulesは3までやっておきたいです。4が必要かと言われれば必要ではないと思いますが、余裕があれば組み込みたいです。The Rules3程度の難しさの本文と設問を、様々な参考書を通して30-40本ほどこなしてください。


他にもやっておきたい500と700、Z会のRiseシリーズもおすすめです!


英作文 最難関国公立大学

和文英訳・自由英作文ともに出題される大学と出題されない大学がはっきり分かれるので、自分の出題される大学でどのような問題が出題されるのか、二次試験の配点100%中でこれらの問題にどれくらいの配点がされていると考えられるのかを分析・把握してください。配点の大きさから重要度が決まり、重要度から優先度が決まります。


和文英訳

和文英訳では構文・英文解釈までに学んだ知識や理解を使って、日本語を正しく英語に表現する技術を身につけていきます。構文・英文解釈で行った英語から日本語を逆にして、日本語から英語に訳します。

いかに定番の型にそって、採点しやすい答案を作るかが重要です。

和文英訳では奇問・難問は出にくいので、少し複雑な構造の文章をいかに、型通りにシンプルに表現できるかが問われます。

いかに採点しやすい、型から外れない英語を表現できるかにこだわりましょう。ここでも最も重要なのは英文法です。出題者が意図した英文法・構文に過不足なく答えることができるかが得点に繋がります。オリジナリティーは求められないので、テンプレから外れず、文法的に減点しにくい英文を作成します。


おすすめはハイパートレーニング和文英訳編です。

付属の例文集に本書で扱われている132本の例文があるので、これらはそれぞれ最低でも30回ずつは音読して、完璧に暗唱できるようにしてください。話はそれからだ。

東大や京大などの最難関大学ではハイパートレーニング和文英訳編だけでは難易度としては足りないので、さらに複雑な例文を把握する必要があります。添削してくれる先生がいれば添削をお願いしたいです。周りに先生がいない場合にはChatGPTを活用しましょう。

ChatGPTに和文英訳について教えてもらう例を出します。(有料版のChatGPT4を使用しています。)

大阪大学で出題された以下の和文英訳について、

下記の文章を英語に翻訳してください。大学受験の英訳で得点が取れるような回答にしてください。回答例を3つ示してください。

海外文学の楽しみ方は、大きく分けて2つある。「自分と似ていることを楽しむこと」と「自分と異なることを楽しむこと」だ。知っていることだから面白いし、知らないことだから面白い。大阪大学 改題


ChatGPTによる回答

以下に3つの英訳例を挙げます:

"There are fundamentally two ways to enjoy foreign literature: to appreciate what mirrors oneself and to savor what deviates from oneself. It's fascinating due to our familiarity, and equally intriguing due to our unfamiliarity."

"There exist two major approaches to enjoying foreign literature: deriving pleasure from aspects that align with one's self and from elements that contrast with one's self. The known fascinates us as much as the unknown does."

"When it comes to relishing foreign literature, there are essentially two methods: reveling in what parallels one's self and delighting in what is divergent from one's self. Both the known and the unknown contribute to its allure."

英訳時の重要ポイント:

意味の保持:原文の主要な意味をしっかりと保ちます。ここでは、外国文学を楽しむ2つの方法と、既知と未知が持つ魅力について述べています。

自然な表現:日本語の直訳ではなく、英語ネイティブスピーカーにとって自然な表現を心がけます。

多様性:同じ意味でも、さまざまな表現方法が存在します。上記の3つの例では、それぞれ異なる表現を用いています。これにより、読者の興味を引き、テキストの豊かさを強調します。

文法と語彙の適切な使用:受験英語では、文法的に正確で、適切な語彙を使用することが求められます。それぞれの例で、正確な文法と豊かな語彙を用いています。



自由英作文

自由英作文では、出題されたテーマに沿ってゼロから英語の文章を作成します。おおよそ80-120語で英文を作ります。

先ほどは東大の自由英作文の出題を紹介しました。以下の問題はどこの大学からの出題だと思いますか?


「効率やスピードを重んじる傾向が最近の世の中にはありますが、それらを追求することについてあなたはどう考えますか。具体的に利点または問題点を1つ挙げて、80語程度の英文で述べなさい」


この問題の出題は大阪大学(2023)からです。テーマは簡単ではないものの、決して難しいテーマではなくありふれたものです。こうしたテーマに対して、主に以下のような構成で英文を作成します。

① 賛成or反対意見 ②その意見の背景となる理由や根拠1つめ③理由や根拠2つめ④ まとめ 

この構成で書けば80語は意外とすぐに埋まってしまいます。


「VRの技術が社会にどう役に立つか、90語の英文で述べなさい」

九州大学(2023)の出題です。

2-3分で構成案を簡単にメモし、残り15分ほどで英文を作成します。これまでの総合的な教養、構成の慣れ、英語のフレーズなど総合的な英語力が求められるのが自由英作文です。


難関国公立大学で求められる英語のレベル

難関国公立大学とは、旧帝国大学や東京外国語大学、筑波大学、お茶の水女子大学、横浜国立大学、東京農工大学、名古屋工業大学、歯学部系、薬学系、獣医系などです。日本最難関までとは言わないまでも難関の大学の英語で合格点を取るための知識、理解、技術について単語・熟語、英文法、構文、長文読解、英作文に分けてご紹介していきます。


英単語 難関国公立大学

難関国公立大学のための英語は、標準レベルまでをいかに完璧にできるかにかかっています。国公立大学の二次試験では、大学受験における難関レベルの英単語が出る頻度はあまり高くありません。私大だと難しい単語の頻度が高いですが、国公立大学の二次試験では単語よりも英文法や構文、英作文の力で差がつくため、英単語や英熟語は標準レベルまでを完璧にしてください。

有名な参考書

📚 ターゲット1900

📚 システム英単語

📚 速読英単語必修編


英熟語 難関国公立大学

熟語も単語と同様に、標準レベルのものが出題されます。熟語は勉強の優先度が低くなりがちですが、入試問題を解き始めると大きな失点原因になっていることに気付きます。そのタイミングからでは手遅れなので必ず納得できるまでやりきってください。英単語と同様に毎日のルーティンに組み込んでくださいね。


有名な参考書

📚 ターゲット1000

📚 速読英熟語


英文法 難関国公立大学

難関国公立大学の英語では英文法が最重要です。英文法の重要性はこれまでも繰り返しお伝えしてきましたが、得点における重要性という意味では難関国公立大学レベルが最も英文法の重要性が高いです。

英文和訳も和文英訳も英作文も、採点時に見られているコアの要素は英文法の知識・理解と運用能力です。難しすぎない、かといって簡単でもないこれらの大学で最も差がつくのが英文法です。

標準レベルの時制、助動詞、関係詞、比較は参考書や問題集を5-7周以上して完璧と言えるくらいにやり込みましょう。その理解の深さが、あとあとの和訳や英作文で必ず役に立ちます。

語法分野は際限がなく量が多いので、英文法を特に重視してください。


おすすめの参考書

イクスタで文法四天王と呼んでいるVintage、ネクステ、スクランブル、UPGRADEのうちどれか1冊


英文法・語法 良問500 誤文訂正編

傍線部の中から文法的な誤りを見つけて正しいものに直す問題が集まっている参考書です。この参考書を完璧にするのは時間がかかるので、1日に10-20問解いて復習、を9月以降にコツコツ進めて文法の理解を深める使い方がおすすめです。


構文・英文解釈 難関国公立大学

難関国公立大学の合格に向けて、このステップは英文法の応用編として英語の勉強の核となるステップです。

難関国公立大学は英文和訳の配点が最も大きいレベルの大学です。難関国公立よりも難しいレベルになると英作文の割合が増え、簡単なレベルになると和訳すべき英文のレベルが下がります。

そのため、このレベルの大学では構文・英文解釈の幅広い知識と理解が合格点を取るために重要です。

「基本はここだ!」「入門英文解釈の技術70」を完璧にして「基礎 英文解釈の技術100」「英文解釈のテオリア」も何周もして定着させてください。これらの参考書で学んだ、複雑な文章の理解の仕方が直接入試問題を解く際に役に立ちます。


長文読解 難関国公立大学

難関国公立大学では大問が3−4つ出題され、そのうち本文が長文の大問が2−3つ、会話や文法の独立問題が0−1つ、英作文の大問が0ー1つという構成で出題されるパターンが多いです。

長文が本文となっていて、設問として英文和訳や内容一致の選択問題などが出題されます。

長文が本文の問題の場合には、その長文の趣旨をいかに早く理解するかが問われます。つまり、長文を構成する一文一文をいかに早く理解できるかということと、本文全体の趣旨や流れをいかに早く掴むかが重要です。

本文を1行目から最後の行まで完全に把握しようとすると試験時間が足りなくなってしまうので、設問の正解するために把握するべきことは何か、という視点で長文を読み進めることが必要です。

得点を取るために必要な最低限の作業でいかに早く設問に答えるかを訓練するために長文読解の教材に取り組みます。

本文の理解を問う内容一致問題下線部を訳す英訳もしくは和訳問題カッコの中に入る適切な語やフレーズを答えさせる空欄補充問題などさまざまなパターンを通して長文問題に慣れて解き方に触れていきます。

おすすめはRulesシリーズです。1から始めて2か3まで、時間の許す限り進めてください。

英作文 難関国公立大学

大学によっては和文英訳や自由英作文が出題されますが、一方で出題されない大学も存在します。したがって、自身が受験を考えている大学で具体的にどのような問題が出されるのか、また二次試験全体の配点の中でこれらの問題がどれほどの割合を占めるか、これらを詳細に分析し理解することが重要です。配点の割合が高ければその問題の重要度は高く、重要度が高いほどその問題への取り組みを優先すべきということになります。


和文英訳

和文英訳では、学んだ英文法と文の解釈を使って、日本語を適切に英語に変換するスキルを鍛えます。具体的には、英語の文章を日本語に訳す過程を逆に行い、日本語を英語に翻訳します。

どうやって型に沿った、採点しやすい答えを作れるかが重要なポイントとなります。

和文英訳では難解な問題が出ることは少ないので、ちょっと複雑な文章をどのように、規定の形式でシンプルに英語に翻訳できるかが評価されます。

採点しやすく、型から逸脱しない英語表現に焦点を当てましょう。ここでもキーとなるのは英文法です。出題者が期待する英文法・構文を適切に反映した答えが高得点につながります。オリジナリティよりも、型に合致し、文法的に減点されにくい英文作成が求められます。

おすすめはハイパートレーニング和文英訳編です。

付属の例文集に、本書で扱われている132本の例文があるので、これらはそれぞれ最低でも30回ずつは音読して、完璧に暗唱できるようにしてください。このステップから和文英訳は始まります。

最難関国公立大学ではない難関大学であれば、和文英訳の文章の複雑さは英文和訳ほどではありません。ここまでの英語の勉強で聞いたことがあるフレーズを使えば十分に得点できます。ChatGPTなどを使って添削してもらいながら、型をアウトプットできる訓練を積みます。


自由英作文

自由英作文では、出題されたテーマに沿って英語の文章をゼロから作成する必要があります。一般的には80-120語程度で英文を書きます。

例えば、

「日本におけるFood wasteの問題に対するあなたの考えを100語程度で述べなさい」 筑波大学 改題

や、

「アメリカへ留学生している3か国の学生の推移を見て、わかることを70語程度で述べなさい」九州大学 改題

このような英作文が出題されます。

これらのテーマは難しいものではなく、よくあるものです。現代文の授業で扱っている日本語に比べればだいぶ単純な文章です。

こうしたテーマに対しては、以下のような構成で英文を作成すると良いでしょう。

① 賛成or反対意見 ②その意見を支持する理由や根拠1つめ ③理由や根拠2つめ ④ まとめ この構成で書くと、80語はすぐに埋まってしまいます。

重要なことは、構成を作ることと、減点されない英文(文法のルールを破っていない)で書くことです。これらを意識して対策をしましょう。ここでも英文法の重要性がよく分かりますね!

どの難関国公立大学でも、英作文に割ける時間は20-25分です。まずは2-3分で構成案を簡単にメモし、残り15分ほどで英文を作成するように心がけてください。


ここまで英語ゼロの受験生が賢く最短で難関大学を攻略するための英語の勉強法をご紹介してきました。独学でもステップを踏みながら、最難関の国公立大学にチャレンジできるレベルまで英語力を伸ばすことはできます。

一文読解まで、と一文読解からに分割して、それぞれ使う教材とスケジュールを把握しながら志望校にチャレンジしてください!


最難関私立大学に求められる英語のレベル

最難関私立大学とは慶應義塾大学と早稲田大学です。これら最難関私立大学の英語の入試問題で合格点を取るために必要な英語の各分野の知識、理解、技術についてご紹介していきます。

私立大学は国公立と比べて求められる知識の量が多く難易度が高く、逆に自由英作文や和文英訳の頻度が下がります。合格点を取るために必要な力のベクトルが異なる点に注意してください。

英単語 最難関私立大学

慶應と早稲田、最難関私立大学では日本の大学受験で最も高いレベルで英単語が求められます。基礎レベルから難関レベルまで3-4冊の英単語帳を完璧にしてください。

慶應や早稲田は難しい英単語が出題されるからと、受験の最初から難しい単語帳を始める受験生がいますが、英語全体の効率を考えると非効率です。まずは基礎レベルから標準レベルまでの単語を完璧にして、9月以降に余裕があれば難しい単語に再度チャレンジしてください。

特に学校でそれほど真面目に英語を勉強していたわけではない状態から慶應や早稲田を狙う受験生は基礎レベルを飛ばしがちです。このレベルを飛ばしてしまうと英文法や英文解釈の効率が落ちてしまうので、焦る気持ちはわかりますが徹底的に簡単なレベルから始めてください。ターゲット1200や速読英単語中学編or入門編から完璧にして、標準レベルのターゲット1900やシステム英単語、速読英単語必修編に進んでください。

9月以降過去問を解いてみて、間違える問題の原因が単語にあることが分かれば、パス単準一級やリンガメタリカ、速読英単語上級編などを完璧にするサイクルに入りましょう。

英熟語 最難関私立大学

慶應や早稲田の最難関私立大学は英熟語でも最難関のレベルが求められます。まずはネクステやVintageなど文法問題集の熟語パートの400個ほどの熟語を4月ごろまでに完璧にして、そこからターゲット1000や速読英熟語などの熟語帳を完璧にするサイクルに入ります。英熟語は英単語に比べて地味な存在のため後回しにされがちですが超重要です。設問でも本文でも頻出で得点に直接関わるので必ず完璧にしてくださいね。

解体英熟語も完璧にしたいです。標準レベルを完成させる8-9月以降になりますが、解体英熟語も完璧にする目標で計画を立ててください。9月以降は解体英熟語と過去問で分からなった熟語をケアしながら進めていきます。

英文法 最難関私立大学

英文法に関しても最も難しいレベルが求められます。下線部の中から誤った箇所を探す誤文訂正問題が頻出で、この形式の問題で正解するには文法の深い理解が必要です。

また語法問題でも細かい知識が問われる傾向にあります。文法よりも語法の方が必要な知識量は多く、難易度が高くなればなるほど幅広い語法問題が必要となります。

最難関私立大学では限られた試験時間の中で多くの文章を読むことが求められます。速読しながら読むためには、一文ごとに一発で意味を取る英語力が求められます。この英語力の根幹が英文法の知識と理解です。受験勉強の最初から最後まで、英文法には最も多くの時間をかけてください。

基礎レベルから最難関レベルまで、市販の英文法の参考書は全て対象レベルです。その中から難易度をステップアップしながら3-4冊を選んで完璧にしてください。

おすすめの参考書

文法四天王(ネクステ、Vintage、スクランブル、UPGRADE)

英頻1000

誤文訂正500


構文・英文解釈 最難関私立大学

ここまでと同様に最難関私立大学では構文・英文解釈の分野でも最も難しいレベルが求められます。慶應と早稲田の入試問題では最初から最後まで何を言っているのか分からないようなレベルの英文が頻出するので、最難関レベルの構文にも対応できるように力をつけてください。

基本はここだ!で句や節、5文型をマスターするのはもちろんのこと、英文解釈の技術シリーズで数多くの構文の型をインプットしてください。春以降、少しずつ過去問に取り掛かり始めることになり、さまざまな大学の過去問を解くことになると思います。慶應や早稲田の過去問はそれ以外の私立大学とは本文のレベルが全然違うことを痛感することになるでしょう。

長文読解の演習に入る前にここまでの一文読解のステップをいかにハイレベルにまとめることができるかが重要です。


長文読解 最難関私立大学

私立大学は長文問題形式の出題が最も多くの配点を持ち、時間内に大量の問題文を読んで、それぞれの設問を解き切ることができるかにかかっています。

長文読解はこれまでの英単語から英文解釈までの知識や理解を総動員する必要があり、また長い長文の趣旨をなるべく早く理解するためのテクニックを学びます。Rulesシリーズではこうしたテクニックを学ぶことができるのでおすすめです。

固有名詞は具体例の合図だったり、過去の事例が出てきたら現在の事例と対比させる構造になるなど、長文の傾向から次の文章を予測しながら読むことでより早く解き切ることができます。こうした力は日本語での国語力と相関のあるものなので、必ずしも学ばないと解けないものではありませんが、英語の長文ならではの解き方を身につけることでより時間を短縮させることができるでしょう。最難関私立大学の英語は難易度の分量も段違いに多く、時間がどれだけあっても足りないと感じることになるはずです。少しでも解答時間を短くするためにこうしたテクニックを学んでください!

おすすめは、今回の記事で何度もご紹介している通り、Rulesシリーズが最もおすすめです。

英作文 最難関私立大学

私立大学では英作文はそれほど出題されません。自分の受験校では全く出題されない場合もあるはずです。和文英訳・自由英作文ともに出題される学部は限られます。

文学部では出題されがちなので、慶應と早稲田の文学部系を中心に過去問を見ていきましょう。

慶應義塾大学の文学部では和文英訳問題が出題されます。

「これまでの経験とは著しく異なる言語環境にぶつかることで時に打ちのめされそうになるだろう」2023年 改題

早稲田大学の文学部と文化構想学部では長文を4-10語で要約させる問題が出題されます。


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